みよ!これが「天府の国」の源だ

8/29 茂県-都江堰 Maoxian-Dujiangyan いよいよ九寨溝ツアー最終日

  朝、7時半にご飯ということなので、身支度を整えて別棟にあるらしい食堂を探す。青島のtina ちゃんがいた。見ると彼女は荷物を持っている。??彼女だけではなく、食堂に向かうツアーのみんなが荷物を持って移動している。「なんだかこのまま出発するみたいだねえ」。そうとは思っていなかった私たち、あわてて部屋に戻り、荷物を取って食堂へ。ああ、歯を磨くタイミングが。みんな平気なの?
 このホテル、部屋はひどいけど食事はなかなかおいしかった。饅頭がなかなかイケル。こうして茂県を出て、途中、「30分間停車」、ということで降りたのが漢方薬のお店。まずは別 室に入れられ、それぞれの薬剤の効能、選び方なんかを説明しだした。聞いてもわかりっこないので、先にトイレをすます。まともな洗面 所なら歯も磨きたいところだったけど、やはりクサクサトイレ&洗面所は故障中だったのでhかなわず(よくあることです。ウェットティッシュは必携)。さきほどの説明をされている部屋に戻る。しばらく放心状態で聞いて、さらに移動。部屋の向こうは体育館のようになっていて、人がいっぱい。方々に人が群がっている。見ると、客がそれぞれ漢方医?に脈をみてもらい、それにあった漢方薬を処方してもらっているようだ。とにかくいろんな植物、動物の薬剤がズラリとならんで壮観。とはいえ、やりとりはできそうにもないので、さっさと出る。外は観光客を目当てとして果 物や焼トウモロコシ、いろんな土産物を売る露店が並んでいる。ここで銀のブレスレットを見つけた。なかなかかわいいので、値段を聞くと、1個5元という。4つ買うからまけて、と交渉して結局4つで4元で交渉成立(おみやげなのでネタばらしたくはないけど)。別 の店で違うタイプのブレスレットも気に入る。値段は7元。あっちは4つで4元にしてくれた、というと結局ここも4元。それといちじくを買う。2つで2元。
 30分、ということだったけど結局バスが出発したのは1時間後。かなりみんな熱心に買っていたみたい。
 さて車中は今日も西安大学生カップルとおしゃべり。カメラも昨日の私の指導の賜物?で無事復活したらしい。ここで前から気になっていたこと。「奴」の中国語がとっても聞き取りにくい点。そこで「あなたは西安の人なの?」と聞くと、「違う、僕は広東人さ」それで納得。彼は広東訛りだから聞き取りにくいのだ。ちなみに彼女の方はなんと新疆出身とか。だから二人の共通 語は北京語だったわけだ。広東と新疆から出てきた二人が西安で出会って、北京語で会話・・・なんだか広い大陸を実感する。
 ちなみに「奴」はいっちょまえに英語名を持っているという(香港化?)。Davidというそうだ。彼女はKilly。なのに、英語は下手。華西科技大学に通 っていて、専攻はコンピューターとか。 将来何になりたい?と聞くと、すごく考えてからメモに書いてくれた。「商人」。さすが、改革開放の申し子的回答!
 ここで私のデジカメの話題に。コンピューターをやっている彼らもデジカメには興味津々。いくらぐらい?というので「7万円だった」と答えると、「人民元に直すといくら?」うーん。私はここで計算オンチを露呈、10万元と答えてしまった。(150万円?!)さすがに David 、目を丸くする。(相当お金持ちと思われたかも。ただし後日日本からメールをして、だいたい4000元ぐらいと訂正しておきました。)
 これがDavid とKilly です。撮った写真はメールで送ってね、ただし英語はだめだから中国語で、と頼まれた。(青島親子アシスタントの殷さんとも)青島の tina ちゃん、必ず青島に来てね、と熱烈歓迎宣言。というか性急に「いつごろ来られそう?」とのこと。ママも「あなた達のこと、大好きよ。歓迎するから青島に来てね」と人なつこい笑顔で言ってくれる。実はママ「父親が日本の小学校に行ったから、日本語もできる」と何回もいう。時代的にそれは日本軍が中国を侵略した時期、日本語の学習を強制されたのでは、と思うけど、むしろママは好意的に日本との接点を教えてくれたみたいだった。
  青島ママは一人で西安から旅行に参加していたおばちゃんとまるで旧友のように仲良く並んで席についている。そういう人なつこさがいいな、と思う。

アンケートの恨み?でひともんちゃく

 都江堰の手前の食堂で昼食。ここのごはんはおいしい。成都に近づいた分、料理もおいしく(そして辛く)なっている感じ。中でも麺がおいしかった。
 昼食後バスの中で今回のツアーに関するアンケート用紙が配られる。私たちには代表してshou-daiに紙が配られる。隣に座っているDavid とKilly に用紙を見せてもらうと、評価は「非常満意」「満意」「基本満意」「不満意」の4段階。ホテルや食事、ガイドのサービス態度、日程など。David とKilly のを見せてもらうと食事のところが「基本満意」で、あとは「非常満意」や「満意」だった。ところが、我々の分はほとんど「不満意」。回収のときにガイドの桂さんがじっと見つめる。ううう、なんかちょっと怒っている感じ。

川の風と緑が心地いい都江堰

 ほどなくして都江堰に近づく。ここで桂さん、かなりやる気のない感じで、何か話し出す。ちょっと集中していなかったけど、「都江堰に行きたい人は手を挙げて」といったようだ。しばらくして、「あまり希望者がいないようなので、このまま成都に帰ります」え〜???な、なんで?ここでshou-daiがあわてる。「私たちは行きたいから、じゃあ、ここで下ろしてもらいましょう」と桂さんにくらいつく。彼女はなぜか意固地に「行かない。そんなに行きたいならここで下りて」という感じで、すごく冷たい。「ツアーの契約で行くことになっているはず。おかしいですよ。行かないならここで、下りましょう」と一歩も引かないshou-dai。でも、「ここ」はすでに都江堰の街から少し成都方向に来てしまい、タクシーを拾うおうにも簡単には拾えない感じ。なんだか大変なことになってきた・・・と思うと、他の人からも「行きたい」という声が出始めた。そのためしかたがなく、行きたい人を手を挙げてもう一度確認。で「戻らなければならないので、車両費として希望者1人あたり10元ずつ必要になりますが、いいですね?」なんだかむちゃくちゃな理論のような気がするけど、仕方がない。
 こうしてバスはUターン、市街を抜け、小高い山を登って都江堰に到着。入場料1人60元+車両費10元。結局参加者は11人だった。残る人はバスの中で待つ。エリア内は専門のガイドさんがつく。見学時間は約1時間。殷さんからガイドさんについて行動するように、下車した駐車場と、帰りの駐車場は違うので注意するように、という説明があった。「私たちは駐車場で待っているから」
 都江堰はなんと紀元前3世紀に作られた水利施設。立派な世界遺産なのだ。展望できる高台を見おろすと、豊かな岷江の流れが一望できる。中州のようになっているところが魚嘴分水堤で、2手に分かれる流れのうち、手前が人工的にひかれた水の流れ。展望台から急な階段を下っていくと、二王廟(この設備をつくった李氷親子を祀った廟=2人はとても尊敬されている)がある。例によって撮影ポイントでは時間がかかるけど、なによりも緑が深く、きもちいい。建物は苔むしていて、風情がある。来てよかった。同じ緑でも今までの九寨溝とはやはり違う趣がある。チベットや羌族のエリアから漢民族文化圏に戻ってきた、という感じかな?
  途中の吊り橋はけっこう揺れるけど、川の風がとても気持ちがいい。安瀾橋という吊り橋を渡って、中州、魚嘴分水堤へ。ここの先が魚嘴といって、まさに魚のくちばしのように鋭角になっていて、ここから流れが二手に分けられているのだ。青島親子やDavid とKilly、西安のおばちゃん、ずっとバスで食べ続けた母娘など、すっかりおなじみになった人たちと歩いたり、記念撮影をしたり。気持ちよく散策を楽しむ。(ちなみに私は事前に仕事先で都江堰市制作のVCDをみて、「予習」済み)。山が多く、海が遠いこの四川でこれだけの水の恵みがいかに大きな意味を持っているか。ここから広がる豊かな農地も、「天府の国」といわれる恵みもこの都江堰なくしてはありえなかったに違いない(よって、蜀の鼎立もありえなかったのでは)そんなことをじっくり考えるきっかけになる都江堰は、九寨溝ツアーの終点にふさわしい見学ポイントだと思う。だいたい今も使われているのがすごい。
 再び安瀾橋を渡り、先ほど展望台から降りてきた方向とは逆を進み、出口へ。駐車場に停まっていたバスにのり、3時すぎ出発。もやはすっかりやる気がない桂さんは、ほとんど無言で成都へ。
(最初のテンションの高さからしてうそのよう。やはりアンケートが効いているのか。ちょっと後味が悪くなってしまった)

無事にもどってきました。成都へ

  こうして4日にわたるツアーは旅行社について解散となった。ここからそれぞれのホテルに送ってくれるみたいだけど、「発票(領収書)が必要な人は事務所に来て」とのことなので、私とshou-daiが下りる。すると、例の李軍偉さんがいる。私をみるなり、「あれ?臥龍に行ったんじゃなかったの?」「前の日、疲れたからやめた」。「そうか。何か問題はなかった?」というので、昨晩のホテルはおかしい、と言った。スタンダードクラスとほぼ同じ部屋のレベルで、シャワーもでなかった。なのにどうして「豪華」なの?と「あ、そうだったんだ。でも、九賽溝のホテルは違っていたでしょう?」「うん」そりゃまあそうだけど、問題をすりかえるな〜。「九賽溝のホテルは快適だったでしょう」とはぐらかされる。「で、とくに大きな問題はなかったわけだよね?」うううん。どうもこの会話、日中間の感覚の違いを感じて平行のまま。結局、クレームと彼はとらないまま、領収書をもらう。今日の「川劇」は7時30分にホテルに迎えに行くとのこと。
 tina ちゃんたちが泊まるホテルは天府広場の南側。ところがその少し手前で運転手は降りろ、という。「すぐそこだからちゃんと行ってよ」とやりあう親子。私たちに「この運転手、あんまり態度よくないね」と苦笑い。結局、ホテルの横に着けてもらい、「さよなら、ぜったい青島に来てね」と降りていった。
 天府広場を横切って、見慣れた風景が近づく。あのホテルに着いた。午後5時。
 チェックインしようとするが、旅行社からはとくになにも予約確認書をもらっていないので、少し時間がかかる。結局、私たちが前に泊まった2013号室がまた空いているという。禁煙フロアは混んでいるのか、香港組は5階になってしまった。逆算して6時30分には夕食をとらなければいけない。shou-daiは「陳マーボー豆腐」はどう?と提案。しかし行って帰ってくる時間はないように思う。店は後で相談することにしてとりあえず部屋へ。
 私は急いでロビーで両替をし(これが例によって時間がかかる)、ホテルの向かいにあるデパートで下着(懸案の!)を買う。庶民的だけどなかなか品揃えは豊富。2枚で18元。日本のようにサービスカードのシステムがあり、レジのところで「カード持っていますか?」と聞かれる。「ない」というと、「作りますか?」。「旅行者なので要りません」と断る。
 大急ぎで戻ると麻ちゃんはシャワーを浴びた後。30分しかないけど私も髪の毛がべったりして気持ち悪いので、思い切ってシャワーついでにシャンプーもしてしまった。ルームサービスにドライヤーを貸してくれるように頼んだが、持ってきてもらったドライヤーは冷風しかでないもの。ないよりましだけど、結局生乾きのまま、時間になりロビーに降りた。
 私たちはワンピースに着替えていたので香港組がびっくり。「髪の毛が濡れたまま外に出るのは娼婦だ、とよくお父さんに言われていた」という麻ちゃん。私は高校時代のオールドミスの先生に(朝シャンが流行っていた時期だった)「朝、出かける前に髪を洗うなんて商売女みたい」と言われたことがある。そんな話をしながら濡れ髪のまま歩く。「娼婦と間違えられたりして」
 私たちの提案で、夕食は仙踪林にする。ここは適当なセットメニューがあるからだ。窓際のブランコ席が空いていたのでそこに座る。
 ところがここに4人、つまり1つのブランコに2人ずつかけて、食事をするにはちょっと狭すぎることが判明した。小さくまとまりながらも食べる。セットメニューは思いがけずおいしかった。正面 のマックにするより全然まし。それにここの珍珠ない茶は本当においしい(2年前の北京取材以来のファン)サービスもキビキビしている。
 ホテルに戻るとまだロビーには李さんは来ていない。じゃあ、と1階にあるトイレへ。行ってしみじみしてしまった。水が流れるどころか、ドアもちゃんとある。洗面 所も鏡があって化粧直しなんてできる。もちろん臭くなく、おばちゃんが常に掃除をしているのでどこもピカピカ(涙)。こんな「当たり前」だと思っていたことが、少し田舎に行くだけで遠い世界なんである。
 もどっても李さんは来ない。なんだよ。こんなことならゆっくり食事もできたじゃん。さすがに30分待ってもこないので、例の旅行社へ電話する。  
「あー。李偉なら女朋友とさっき出たよ。そっちへ向かっていると思うよ」なぬ ?女朋友(ガールフレンド)?そりゃ聞きずてならぬ。
 「なんだか彼女といるらしいよ」とみんなに報告。するとほどなく女連れの李偉くん登場。「ごめん、ごめん、道が混んでいたんだ」。で、その彼女はさっき旅行社でも見かけた妙齢の美人!(李くんにはもったいない!)彼はケンタッキーの袋を持っている。すっかりデートモード。「そりゃ、こんなかわいい彼女が一緒なら遅くなるよね」と納得。
 2台に分かれてタクシーに乗り込み、着いたところは人民公園。なぜかグラディエーターのような衣装をつけたお兄さんがゲートに立っている。公園内に入り、案内されたところは「蜀風旅游演芸広場」という建物。やたらにネオンがハデだ。

川劇入りスペクタルショーにあっけにとられる

 中はまだ客も少ない。好きな席に着いていいというので、真ん中あたりに陣取る。大きな蓋碗にお茶が注がれる。ポップコーン(砂糖をまぶしてあって甘い)や果 物も出てきた。ここの小姐はまぶしいほどのミニスカートか、超セクシースリット入りのチャイナドレスを着ている。うーん、川劇ってすごいんだなあ?
 さて、この彼女、名前は陳さんといい、まだ20歳の大学生。ちょっと旅行社でアルバイトをしているらしい。地元にいながら川劇を見たことがないので、今日はついてきたという。日本語を1カ月前から習いはじめたそうだ。 それはそうと「あなたすごく美人ね」というと「ナーリ、ナーリ(それほどでも)」(といいながらも言われ慣れている感じ)。しかもデジカメで2人の写 真を撮ると、「ちょっと髪の毛が変だわ」と厳しいチェック。やるう。
 すごくハデな音楽とともにカーテンが上がる。本当に川劇??タイトルは「蜀魂」。すると、衣装を付けたダンサーがわさわさと出てくる。場内アナウンスとともに横に説明がきがある。なんだかよくわからないけど要するに太古の三星堆遺跡時代をダンスで表現しているらしい。うーん。ぬ あんだか呆気にとられるばかり。幕が下りると、今度は戦国時代や三国志の時代などをそれぞれダンスで表現。それはそうといつになったら、私が見たかった変面 が見られるのじゃ?
 と悲しい気分になった頃、幕間の余興として変面の役者と火を噴く人が登場。た、たしかにあっという間にお面 が変化する。芸もあっという間。もっと見たかった。これで終わっちゃうの?(他にも道化による寸劇が幕間にあった)。で、またながいダンスが続く。別 にダンスはダンスでいいのだろうけど、こっちはこれを見るために来たわけではないので戸惑うばかり。あえて言うなら、パリで見た「リド」のショー、四川歴史版もしくは宝塚歌劇「オー!四川」(本当にあるわけではないよ)の踊りだけバージョン。その合間に川劇を少々、というノリなのだ。どうも私が想像していたものとは違う。他のみんなもそんな印象だったかも。
 最後に劇場の人がきたので、感想を聞かれる。shou-daiが「バレエですね」という。しかし彼は「いや、これはバレエではない」と否定。オリジナルの芸術であることを強調したかったようだ。仕掛けもハデだし、なかなか意欲的なものだとは思うけど、なんとなくエンタテイメントショーとしてはもうひとつものたりない。結局観光客用なのだ。やっぱり京劇のように、茶をすすりながら蘊蓄をかたる「じじい」がいないとねえ。李さんによると「川劇をやっているところは他にもあるけど、毎日やっているのはここ」だそう。うーん。だったら他の日にもっと本格的な「川劇」がみたかったぞ。
 ホテルに帰り、小佳さんとのざわっちに電話。留守だったので、のざわっちのポケベルを呼び出し、連絡を待つ。  しばらくしてのざわっちから連絡。九寨溝の話をチラリとご両人に報告。成都最終日は私のわがままで「武侯祠堪能コース」にしてもらうことに。地元のご両人が一緒に来てくれるそう。テレビの天気予報は雨・・・やっぱり成都に快晴の日なし。    

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