12/18 最後まで元気にエクスを歩き回る

セザンヌのアトリエ

Aix en Provence エクス・アン・プロヴァンス
 あー。ゆっくり寝た感じ。8時だ。ゆっくり身支度して9時頃下のレストランに降りる。朝食はビュッフェ。ゆで卵がおいしい〜。もちろんパンもおいしく、朝から満腹に。あー。幸せな朝。
 10時ごろ私は噴水近くにあるけっこう大きな郵便局(エクスの第一郵便局らしい)で最後の両替、naoさんはプロヴァンス最後の夜を飾るにふさわしいプロヴァンス料理が味わえるレストランを聞きに観光局へ。
 さすがに月曜日の午前中なだけに日本のように窓口はどこも長蛇の列。手際がよさそうな若いお兄さんのところに並ぶ。じーと待つこと10分以上。気のせいか、彼はお客さんにいう最後のお礼にメルシーとともに「アリガトゴザイマス」と言っている。ん?ようやく私の番がきて英語で両替してくださいと頼む。彼は心なしかとっても嬉しそう。パスポートで身分確認。滞在先はすぐそばのオテル・クリストフだと伝えると、「ノン。日本の住所」という。日本の?聞いてどおするんじゃと思いつつ、「サイタマ」というと、「サイタマ?」と反復し、ちゃんとSAITAMAと正確に入力。おまけにT/Cと書類にした私のサインを見て「トレビアン!」。漢字が相当気に入ったみたいだ。わ、私の字なんておよそトレビアンじゃないよ。このお兄さん、ひとつひとつの作業を口で再確認しながらやっている。よって少し時間がかかるがミスはない。英語も結構できる。最後に「アリガトゴザイマス」といわれたので、「アナタの日本語とても上手、トレビアン!」とほめておいた。彼の日本語熱、さらに高まったかな?
 ふと壁をみやると、どの郵便局でも見かけた記念切手に加えてモナコのサボテンの切手がある。サボテンかあ。友人は植物の切手を集めているが木と葉っぱがターゲットで、花は「テイストが甘すぎる」というので除外。このサボテンにはそれぞれ小さなサボテンの花が描かれているのだ。うううん。微妙なところだが、もしかしたらこのチャンスを逃したら買えないかも。意を決して切手販売コーナーの列に並ぶ。
 ちょっと待って私の番になって(英語が通じないので)、窓口のおばちゃんにジェスチャーであそこの切手がほしい、と伝える。おばちゃんは大きなファイルからシリーズのシートを1種類ずつ取り出す。「これいるの?」「いる」というやりとりが10回以上続いた。まどろっこしいが仕方がない。こうしてなんとかサボテンの切手を手に入れ、郵便局を出ようと思ったときにnaoさんがきた。「30分以上もこないからどうかしたのかと思っていた」。すみましぇん。さて観光局でおすすめのプロヴァンス料理のレストランを聞いたけど、特定のお店は教えられないと結局リストをくれただけとか。それなら、と食い下がり「あなたが行ったレストランは?と聞いたけどそれも教えてくれなかった」そうだ。あとは自力?で探すしかない。
 今日の午前中の課題は「セザンヌのアトリエ」訪問。『歩き方』の地図では範囲外。観光局でもらったパンフなどを頼りに昨日通 った旧市街を抜けて、サン・ソヴール教会の前を通り、Pasteur 通りに。『歩き方』だとこのまままっすぐ約600mとあった。ところが丘をかなり登っても着かない。絶対600m以上は歩いている。おまけにアトリエがあるというポール・セザンヌ通 りにもならない。だいたい旧市街地にはあったセザンヌのプレートも埋められていない。本当かかなり不安になってきて、naoさんがそのあたりにいたマダムに聞くと、もうすこし丘を上って次の交差点を右に曲がり、さらに右に曲がるという。はあん?右折が2回ってことは回り道?だいたいサント・ヴィクトワール山も見えないやんか、とあせって右に折れたとき、かなり丘の上まできていたようで、目の前にサント・ヴィクトワール山が姿を現した。本当に絵の通 りの独特の形をしている。でも肝心のアトリエは全然見あたらないので、再び何人かに聞く。1人で歩いていたマダムに聞くと「あら、すぐそこよ。私の娘がそこに勤めているの。」
 あとで観光局の地図を注意深く見ると、ポール・セザンヌ通りは旧市街を抜けてPasteur 通りをちょっといった交差点で右折するようだった。標識があったのに見落としたのか、標識はなかったのか、とにかくまっすぐ登ってしまったのが敗因。その道に気づいていればもう少しすんなりこれたのだが。なんだかんだで1時間近くホテルから歩いてしまった。 丘の上、といっても新興のマンションが建ち並び完全な住宅地になっている。ゆえにセザンヌのアトリエからもサント・ヴィクトワール山は見えないのだ。
 目立たない建物の前に大きな観光バスが1台停まった。ゾロゾロと降りてきたのは日本人ツアー客。おかげでそこがアトリエだと知ることができた。しかし小さなアトリエに彼らと入るのもどうかと思い、彼らが出てくるまで庭で写 真撮影などをして時間をつぶす。
 ツアー客の中には新婚カップルがいて、アトリエに入らずに、三脚で2人のラブラブ写 真を撮っている。そうか、三脚は普通カップル向けのアイテムか。
  げ。大変なことに気が付いた。お昼の12時10分前。お昼休みになってしまう!ここまで歩いてきた意味がなくなると、あわてて中に入る。まだ団体客がおみやげを物色中だった。もう時間がないよ、と言われるがそれでも、と通 してもらう。案の定アトリエの職員たちはすでにお昼休み態勢。「2人入るよ〜」と階上に声をかける。2階のアトリエにのぼると、おじさんがカメラはダメ、といってくる。静物画の題材となった果 物などがおかれている。
  下に降りて大急ぎでおみやげ用カレンダーなどセザンヌ・グッズを購入。
 十分時間をとった割にはあわただしい訪問だった。出る頃にはもう観光バスは行った後。私たちの見学時間よりさらに短いはずだ。彼らは今日どれくらい移動するんだろうか。大きなお世話だろうけど。
  さっきいったん下ってきた坂をもう一度上り、サント・ヴィクトワール山が見えるスポットまで戻る。ちょっとしたロータリーになっているところがあり、そこから建物が入ることなく山がよく見える。車の切れ目を狙って写 真撮影。せめてこれくらい撮っておかなくては。
 帰りは下りだからいいけど、ちょっと疲れるな〜と思い、足を進める。ところがそのロータリーの近くのバス停にまるで私たちを待っていたかのように1台のバスが停まっている。「1番StChristophe」うん?それはホテルの名前ではないか。バスに乗り運転手さんに聞く。地図でホテルと噴水付近を指さすと、そうだ、という。なんてラッキーなんでしょう。それはホテル前まで行く路線バスだったのだ。おまけにこのタイミングのよさ。(でもでも。ということは終点から終点。最初からこの1番バスで来ればアトリエまでラクラクだったわけ?情報収集不足を実感・・・) バスは7F。10分少々で噴水のロータリーまで戻ってきてしまった。
 旧市街にある、1889年設立とかいう由緒あるデリカテッセンでキッシュやパン、タルトを買う。そう、昼はホテルで軽めの昼食をとるのだ。昨日のワインも残っているし、果 物もあるし。昨日のワインはさらに空気とふれあい、まろやかにおいしくなっている。うーん。最高だあ。キッシュもおいしい!予想以上に充実した昼食になった。さらにルームサービスに電話してお湯をもらい、お勧めLADY GREYをnaoさんにふるまう。それと一緒にタルトも。うー、お腹がいっぱい。「軽め」にするつもりだったのに。
 アリタリアに明日の便の確認を念のためしようとnaoさんが電話。が、なぜか通 じないという。外線そのものが通じない感じとか。内線にその旨を伝えるとほどなく開通 。出発便の変更はないらしい。あー本当に明日帰るんだあ。
 で、3時頃再び旧市街で解散。集合は7時、モノポリーで。
 とくに私は買い物の目的はカリソン・デックスぐらい。すでに場所はチェック済みなので後はブラブラする。昨日行けなかったタピスリー博物館に行ってみる。
 窓口のおじさんに「こんにちは、1枚ください」というと、なんといきなり「How old are you?」。女性の年齢を聞くとは?実はここ、学生料金が設定されているのだ。フランスって適当な年齢以下(たぶん25歳と思われる)だと学生とみなすらしい。おじさんは真剣に東洋人である私の年がわからなかったのだろう。しかし以前のロワール旅行で25歳とサバをよみ切符を買ったことをOliveさんに話したら、怒られた。「だめよ。フランスでは女性は年をとればとるほど価値があるって尊敬されるんだから、年を若く偽るなんて」。そうか、若く見られることはこの国では決してほめられたことではないのだと悟った私は、大人の女をめざすことにした・・
  てな経緯もあり、まさかここで10歳もさばを読むことはできない。しかしホントの年をいうのも恥ずかしい。で、結局中途半端にサバを呼んで、小声で「サーティ」と答えた。なのにおじさん「パルドン?」まさか冗談じゃねえ。本当の年をいいやがれ、って聞き返しているわけではないだろうけど。「サーティ・・・」「ハ?」「サーティ!」わ、わからんなら英語で聞くなよ。近くにいた他の係員が「トランタン」と教えてくる。「OH・・・」ばつの悪い間。「Sorry」。彼としては親切心で聞いたんだろうから、まあいいんですけどね。ちなみにここ、大人料金でも10F、150円ぐらい。学生料金で割引になるっていっても大した額ではないのです。
 でもこの博物館、私以外に見学客がいない。なので目立つ。各展示室にいる係員はとってもヒマそう。1人1人に挨拶をして見るのだが、ずっと見られているので落ち着かない。タピスリーは前にパリやロワールでみたそれに比べればちょっと傷みが激しい。エクスで公演した?オペラの衣装もなぜか展示されていて、こっちの方が見ていて面 白い。それと特別展として3人の写真家による写真展をやっている。その中の1人が日本人でKOICHIRO KURITAという。長野生まれで今パリに住んでいるらしい。自然のおもしろい景色、現象を撮影したモノクロの作品が並ぶ。これを1枚1枚ゆっくり見て回る。
 ここのトイレは利用客が少ないせいか、とっても清潔だった。ロビーにあったベンチで絵を見るふりをして今日の出来事をちょっとメモしたり、休憩。出るときさっきの窓口のおじさんに「メルシー、オルヴァワー!」と声をかける。するとおじさん「マタネ〜」と日本語で陽気に見送ってくれた。
 カリソン・デックスのお店「ROY RENE」はおばさんが1人で客を裁いているのだが、結構繁盛していて、フランス語ができない旅行者などいちいち相手にしていられない、という感じ。それでもめげずに買う。 あとはどっかでカレンダーを買おうと物色しつつ、街並みや噴水、セザンヌゆかりの建物の写 真を撮ったりしながら旧市街を歩き回る。
  そのとき、かわいいショーウィンドウを発見。クマぬ いでいっぱい。誘われるまま店にはいるととってもかわいいグッズだらけ。そこでフェルトの袋にはいったチェックの布でできたクマのぬ いぐるみを見つけた。かわいいー。運命の出会いその2。すっかり子供にもどり、一番かわいいと思ったぬ いぐるみを買うことにした。50F。お店のマダムはそれをギフト用にラッピングし、かわいい袋にいれてくれた。ラッピングはとってもセンスがいいし、まさか今さら自分用です、ともいえなかった。マダムにお願いしてウィンドウの写 真を撮らせてもらう。「ボン・ジョネ〜」といわれながら店を出た。(ここ3日ぐらい、この言葉をよく言われるようになった。どういう意味?クリスマスの挨拶のようですが。「ネ〜」ってNoelのことかなあ。)
  その店を出てしばらく歩いていると、突然若い女の子が近づいてきて、フランス語で何か話しだした。なんだ?「わからない」というとしばらく話しかけていたがやがて去っていった。
 途中でJacqueline Riuのお店を通ったので、中を見るとやはり?naoさんがいた。あやうくスリにあいそうだったとか。また分かれて別 行動。いったんホテルに戻り買い物したものを置く。
  ホテルの隣にあったサントン市で小さな天使のサントン人形を買った。52F。手作りだから決して安くはない。大きいのだといくらなんだろう。おばちゃんが会計の時に、「サントン人形のエキシビションの招待券、いる?」と聞いてきた。私は「要らないの。ありがとう」と丁寧に断ると、おばちゃん、信じられないと言う様子で「 要らない?Why?」とおおげさに聞いてくる。「あの、私旅行者で(みりゃわかるけど)、えっと。もう明日にはエクスにはいないから 」。「マダ〜ム、エキシビションは今日の夜7時からよ。だから問題ないわ。私もいるから」と半ば強引に招待券をくれた。
  カレンダーなどを買ううち、時間に。モノポリーに行って落ち合う。naoさんがあったスリ未遂とは「危険情報」などにもあった手口で、若い女の子たちがいきなり時間を聞いてきたという。「なにぃ?」と日本語ですごみをきかせてちょっとビビらせる。そのとき不自然な動きをしたので、すぐ相手の腕をつかみ、ひねってやったとか。さすが空手黒帯。さっと逃げようとしたので追いかけて、何か盗んでいないか、身体検査までしたんだと。相手もやっぱりやましいところがあるのか慌てて逃げたらしい。人通 りはそれほど少なくないところで一瞬の出来事だったらしいけど、やっぱりあるんだ。もしかして私がさっき声をかけられたのもそうだったかもしれない。「危険情報で手口を知っていたからよかったよ」。でも危ないことにならずにすんでよかった。それとエクスのoliver&coでも買い物をしたそうだけど、同じ物なのにリールよりちょっと高めだったんだって。都会料金?
 さて、最後のディナーは検討の結果、ちょっとレストランの外観もよさそうなLes Bacchanales(tel 04 42 47 21 06)というレストランにする。大噴水からもそれほど遠くない。予約はしていなかったけど、時間も早いのかすんなり通 してもらえた。169Fでプロヴァンス料理のMenuがある。内装のセンスもステキだし、とても清潔感があり、お店の人の応対もいい。プロヴァンス料理のMenu、それにエクスのAOCワインにしてみる。とはいえ、ハーフボトルの赤だけで3種類。どれがいいかわからないのでお店の人に聞くと、これがいいと選んでくれたのがChateau de Beaupre('98)。良心的なのは3種類の中から最も値段が安いワインだったこと。なかなか飲みやすい赤だ。ちょっといいレストランなので、今までは普通 のカラフェの水を飲んでいたけど、ミネラルウォーターを注文。「ノン・ガーズズ」ってお願いし、お店の人も確認したのになんと間違えてガス入りのミネラルウォーターを開けられてしまった。その瞬間「オー!」と本人も間違いに気が付いた。ちょっと気の毒になり「いいです。それで」。ところがガス入りってお腹がより膨れてしまうのだ。
 
まずスープ。濃厚なカニの味とクリーミーさがいい。さわがにの飾り付けもかわいくていい感じ。

メインは仔羊。豆と煮込んであるところが素朴。豆は好きなのでうれしい。プロヴァンスの ハーブが味のアクセントになっている。


次に3種類のチーズのもりあわせ。すでにお腹は120%まで来ている感じだ。でもおいしい。ワインも進む。

デザートはリンゴのポワレとアイスクリーム、はちみつそえ。盛りつけにセンスが感じられる。 く・くるしい。だけどおいしい。でもアイスはちょっと甘い。たまらずエスプレッソを注文。
 どうです、ワインを入れて3000円ほどでこの内容。お店の人はやはり何回も「どう?」を感想を聞いてくる。「トレボン!」で彼らも満足げ。とくにスープがよかった。後ろ(厨房)でずっと何かをホイップする音が聞こえていたけど(笑い)、このスープに入れるクリームだったのだろうか? お店のオーナーがちょっと顔を出してご挨拶。私たちには愛想がいいけど、お店の人にはナプキンの置き方など細かいところまで注意。こうした厳しい目がいいサービスを生むのですねえ。次第に地元の人で賑わい、楽しい雰囲気になってきた。ジプシーのおばさんが切り花を売りに来た。買う人いるのかな?と思うとお客の1人が買っていた。私たちには最初から無駄 と思ったのか、売りに来なかった。店の一番若いお兄さんにお店のカードが欲しいと頼んだら、たくさん持ってきた。んな、たくさんくれんでも。「タダだから、いいんだよ」。
 店の外で写真を撮っていると、たまたま通りがかったらしい、切り花をもったおじさんがそれを見るなり「エクスキューズミー」。急いで横切るのだとおもったら、私の横に立ち、肩を組まれる。え?? 「撮ってもいいの?」「うん、仕方がないよ」。撮るとさっさと消えていった。???。お店の向かい側にはバーがあって、若い客ががこっちを見て大ウケ。一部始終を見ていたらしい。
 お店の人は最後に「アリガトウゴザイマシタ」と日本語で挨拶してくれた。お店の人もとてもフレンドリーだったし、料理はおいしいし、プロヴァンス最後のディナーは大満足なのでした。
 ホテルに戻り、フロントのおじさんに明日朝早い旨を伝える。今会計をしたほうがいいか、と聞くと「ノープロブレム」。朝の5時30分でもチェックアウトは可能だという。5時20分に空港までのタクシーの手配を頼む。 は〜6:45の飛行機ってやっぱり大変だわ。
 それより問題は荷物。本当に持って帰れるのかあ?バッグひとつでそのまま日本に帰れるように(スーツケースは空港から送るから)しっかり荷物を分けて、 準備を整える。

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