12/12 マルセイユでブイヤベースを堪能、満腹でアヴィニョンへ

Marseille マルセイユ
  うーん。ぐっすり寝た朝は気持ちがいい。カーテンを開けるとまだ夜、という感じ。朝食はビュッフェ。ヨーグルト、果 物も豊富で充実している。一人で食べているビジネスマン風が多い。
 マルセイユが一望できるノートルダム・ド・ラ・バシリカ聖堂へ。ホテルで聞くと10番のバス、バス停はホテルのすぐ横にあるという。バス停で時間を調べるとちょうど行ったばかり。ちょっと朝市をのぞいてみるが、これから準備、という感じだった。朝市とはいえ、まだなのね。
  naoさんは幻のヴィトンの黄色い財布を狙っているのだけど、今回行く都市ではマルセイユ、ミラノしか直営店がない。時間もあるのでとりあえずめざすお店があるRue Grignanを歩いてみる。番地からしてもう少し先というところまできたけど、バスの時間もあるのでバス停に引き返した。
 バス停でバスを待っていると、小さな子供たちが乗ったスクールバスが通りかかり、子供たちが手を振っている。私たちも手を振ってかえすと、子供たちは大喜びでさらに熱心に手を振ってくれた。うーん、かわいい。
 9:15発の10番バスが来た。1人9F。途中結構急な坂があるので、やはりバスでないと苦しい。9:30着。帰りのバスを確かめると10:00 というのがある。30分しかないけど、ちょうどいいかな?
  展望台にのぼって記念撮影。ふふ・・・今回私はコンパクトな三脚を持ってきたのだ。一眼レフだとちょっと安定性に欠けるけど、二人旅、とくにシーズンオフは誰かにシャッターを押してもらうということも ままならない。けどたまには二人で写りたいときもある。そんなときに便利だと思ったのだ(これ大正解。大活躍した)。一眼レフとデジカメ、2台となるとちょっと忙しいのだけど。
 ところが私のデジカメの最大の欠点は明るいところに弱いこと。明るいところだとハレーションをおこして真っ白になってしまうのだ。展望台から何枚か撮ったけど白くなってしまうので断念。一眼レフでとることにする。ちなみにここの展望台からの眺めはバツグン。旧港もイフ島(モンテ・クリスト伯の舞台)もよく見える。キンピカのマリア像が建つ聖堂の中もなかなか豪華だ。
 驚いたことにさっき私たちに手を振ってくれた子供たちもこの聖堂に来ていたのだった。彼らが展望台に登ってきたときに会って、ちょっとした騒ぎに。みんな「ボンジュール!」といいながら握手を求めてくる。 かわいー!なんだか嬉しい出会いだった。
 バス停に戻り、10時始発のバスに乗る。改めてチケットを運転手さんから買おうとすると、なにやらフランス語で話し出し、売ってくれない。「さっきのチケットを出せ、ってことじゃない」、とnaoさん。そうか。そのチケットを見せると運転手さん、大きくうなずいてくれた。要は1時間以内なので改めてチケットを買う必要はないらしい。ということは9Fで往復できちゃうわけ?すごいなあ。
 順調に坂を下ってバスは走っていたが突然、細い路地のところでストップ。運転手さんがクラクションを鳴らす。フランスではよくある、道の両脇にズラリと並んだ縦列駐車。ある1台がカーブのところに若干はみ出して停めていたため、バスでは通 れないのだ。 何度もクラクションを鳴らすが車の持ち主は現れない。そのうちバスの後ろに車がつかえてすごい渋滞になってしまった。近所から何人かおやじたちが出てきてああでもない、こうでもないと話し合いが始まる。一時みんなでその車を持ち上げて動かそうとするが断念。騒ぎはますます大きくなるばかり。乗客は私たち2人と後ろに座っていたおばちゃんたち2人の計4人。その間私たちはおもしろがって写 真をとっていた。おばちゃんがそれを見て「撮ってあげるわ」(推定)。デジカメを見せるとちょっと驚いていた。
 10分ぐらい立ち往生してようやく持ち主が現れ(でも悪びれた様子はなく)平然と車で立ち去っていった。運転手は「マルセイユ、ビエン!」とおどけながら席に戻り、無事発車。 ちょっとしたハプニングも旅の思い出。
 埠頭に戻ると、魚の市場がにぎわっている。何枚か、写 真を撮らせてもらっていると次々とおやじたちが話しかけてくる。やはりスリなどがいるのか、警官がすぐそばで警備しているところだから、安全だとは思うが、とにかくみんなやたらにフレンドリーだ。「私はベトナムに行った。サイゴンと○○と・・」(どうやらインドシナ戦争のときらしい)こっちが相づちをうったものだから、話が止まらなくなってしまった。うああかんべん。それに私、ベトナム人ではないあるよ。彼からみれば同じかもしれないが。にこやかに「オルヴァワー!」と挨拶して退散。今回新たに覚えた「Je nu comprends pas」(わかりません)を連発して切り抜ける。しかしおやじたちは一瞬残念そうな顔をするが、またすぐ気を取り直し?かまわずフランス語で攻撃してくる。とにかくフランス語でいくら話をされてもわからないんだよ〜と思っていると、今度は日本語で話しかけてきたおやじが。妙に丁寧な日本語で「マルセイユはいつ来ましたか?」「マルセイユはいつまでいますか?」「お仕事は何ですか?」と次々に問いかけてくる。怪しい奴?と身構えるが、彼の説明では日本に行きたくて日本語を独学している人で、会話の練習のためにこうして日本人とみるや話しかけているようなのだ。尊敬語もうまいこと。それならきっと日本に来ても大丈夫ですよ、とほめてあげる。「ブイヤベースは食べましたか?私は(目の前のレストランを指さして)あの店をお勧めします」。私は一瞬、結局お店の客引きか?と疑ったがそうではなく、会話に満足したおやじは自分から「Au revoir」と言って立ち去ったのだった。
 うむ。魚も新鮮でおいしそうな市場だったが、それをとりまくおやじたちの方が面 白かった。
 とりあえずホテルに戻り、荷造りをしてチェックアウト。スーツケースをフロントに預けルイ・ヴィトンへ向かう。途中、なにやら切手屋さんらしいお店を発見したが(植物の切手を集めている友人からもしあったら、と言われている)閉まっているようなので見送り、 ルイ・ヴィトンへ。周囲はちょっとしたブランド街になっている。ちゃんとドアマンがいるあたりさすがルイ・ヴィトン。 さて、めざす財布、そしてリクエストされているというスカーフを聞くが、結局「うーりきれ」と妙な日本語で丁寧に答える?店員さん。 売り切れという日本語を知っているあたりが悲しい。早々に退散するしかないのであった。がっかりするnaoさん。もうミラノしか可能性はないのだ。
 店を出ると目の前にSNCF(TGV)の看板。Grignan出張所?のようだ。ラッキー!列に入って待って、チケットを買うときの必殺アイテム、SNCFのホームページから検索し、あらかじめプリントアウトしておいたものを見せる。こうして14:56発のTGV、アヴィニョン行きをトラベラーズ・チェックですんなり買うことができた。1人102F(2等)。ここで買っておけばもう心おきなく時間まで楽しめるもんね。
 そのままカヌビエール大通りなどをブラつきながら再び旧港へ出る。めざすブイヤベースのレストラン、ミラマールはすぐそば。表で写 真を撮っていると、シェフらしき人が店の入り口に立っている。中に入るとまだ準備中という感じだったが、予約していたIWATAだというと、すんなり席に通 された。オーナーが登場し、話しかけられる。「インターネットで予約したでしょ、ちゃんとわかっているよ。ほら」。わざわざ私が送ったメールをプリントアウトして持ってきてくれた。別 にぃそれは要らないんです、と思ったが、よほど日本からのメールでの予約が珍しかったに違いない(初めてか?)。なんていったって「私からのサービス」と食前酒にキールを出してくれたのだ。
 ちなみにこの店はwww.bouillabaisse.comというホームページを持っている。メニューも写 真付きでのっていてわかりやすい。オーナーとシェフをしているミラマール兄弟の子供の頃のお宝写 真もあったりして面白い。英語は工事中だったが、フォームから予約できるようになっていてフランス語でも理解できためにそれで予約。しかし確認の返事がこなかったので後日再度メールで送付。もちろん英語で。「私はフランス語がわかりましぇん」と書いたにも関わらず、出発前日フランス語で返事がきて、あわててK氏に解読してもらう。(お待ちしております、程度のものだったのだけど・・)
 さてメニューは迷うことなくブイヤベース。それにお勧めのワインはやっぱり!Vin de Cassisの白(事前にK氏からブイヤベースにはVin de Cassisが定番、と教えられていた)。
 メニューにもあるが待つこと20分。魚とともにブイヤベース登場。食べ方を教えてもらったが、結局ちょっと理解できなかった。パンにルイユ(マヨネーズのようなソース)を塗ろうとすると、慌ててお店のボーイさんが今度は実際にお手本を見せながら食べ方を指導してくれた(Merci)。てなわけで、ここに再現。
(1) パンにニンニクを塗りつけ、スープにいれる
(2)ルイユも適当にスープにいれる
(3) ふやけたパンごと飲む
(4) 魚を取り分けてもらい

(5) 今度は魚も食べる(すでにお腹は頂点。全部は無理)

 ご覧ください。サフランを使った鮮やかな黄色を!お味の方は、まさにTres bon!なのだ(お店の人にも連発しておいた)。ブイヤベースってこういう味だったんだ、と感動。魚のお味が濃厚なんですねえ。それにきりっとしたワインがとっても合うのだよ。最初はパラパラだったお客も1時をすぎる頃には大盛況で満席。やはり観光客風の人、地元のおなじみさん、グループで盛り上がっている人たち、1人で来ているビジネスマン風といろいろ。ブイヤベースが1人290F、ワインと合わせてここは2人で計780F(もうデザートが入るお腹はなかった)。でもそれだけの価値はあった。おいしかったよんんん。日本では食べられないだろうなあ。涙。サービスも気持ちよかったし。ここ、魚の塩釜焼もあって、料理する魚を席まで見せに来てくれる。あれもおいしいに違いない。naoさんがトイレを聞くと日本語で「オニカイ」と言われたのには笑えた。最後にオーナーさんとお店の入り口で記念撮影をしてもらう。
 ホテルまで歩いて5分ほど。お、お腹が重い。スーツケースをピックアップして駅までタクシー。荷物を入れて約80F。近い割には割高ね〜。
 マルセイユって治安が悪いとさんざん言われていたので、あんまりいいイメージを持っていなかったけど人は気さくだし、いい街でした。危ない目にもあわずにすんだしね。(単なるラッキー?)

Avignon アヴィニョン
  TGVでアヴィニョンに着いたのは4時前。駅の前にいきなり城壁があって街はその向こう。中世の雰囲気が漂う。荷物もあるのでタクシーにのる。旧市街の細い道を入るのだが普段車は通 れない道で、ゲートのようなものがある。運転手が横にあったインターホンのようなものでやりとり。やがてゲートが下がり車が通 れるようになった。
 「オテル・ド・ガルランド」はアヴィニョンのホームページで発見、かわいらしい内装が気に入って予約をいれたホテル。12室しかなく、マダム・ミッシェルが家庭的なもてなしをするという。
 中に入るとおばちゃんが出てきた。フ、フランス語しか話さない。マダム・ミッシェルから送られたメールのプリントアウトしたものを見せてようやく事情をわかってもらえた。この人がマダム・ミッシェル?私たちが通 されたのは2号室、「Iris」とかわいい刺繍のプレートがかかっている。「2人、セパレートのベッドね」みたいなことをいわれ、「OK?」とたたみかけるように聞いてくる。だってnaoさんまだ部屋に入ってもいないのに(急ならせん階段をのぼる。エレベータはもちろんない)。
  メインのベッドルームにはダブルベッドがあり、ゆったりめ。バスルームに通 じるスペースにシングルベッドが置いてある。こっちはちょっと小さい気もするが。予想通 り部屋は小さめではあるけど、まあ390Fだ。ブイヤベースより安いのだ(変な基準)。5泊もして「住む」ことになるので、(ホテルの人には申し訳ないけど)レイアウトを若干変更。スーツケースが2つ広げられるようにベッドとテーブルを少し移動してみる。最初の3泊は私がダブルベッドの方を使うことに。ここは確かにホームページで見た部屋だ。なによりプロヴァンス・プリント柄というか内装がかわいい。淡いピンクの壁にカーテンやベッドカバーなども統一され、Irisの名前にちなんで、百合の絵などがたくさんかかっている。車も通 らないので周りの騒音もなく、とても静かな落ち着いたところだ。昔行ったスペイン・セビリアの旧市街にあるホテル・ムリーリョを思い出した。
 荷をほどいて私たちがやることは、明日からのプランのためのバス便など日程確認。ポン・デュ・ガールにはバスでいくのが不便なら、タクシーだといくらぐらいかかるか知りたい。しかし気になるのはこのおばちゃん。英語はダメなのか?どうも不安を感じる。「マダム・ミッシェルが旅の相談に乗る」ってホームページにはあったのに。これでは会話にならんぞ。下に降りていくと例のおばちゃんがいて(ここ、基本的に1人でなんでも切り盛りするらしい)聞こうとするがまったく通 じず。するとおばちゃん、さきほどのプリントアウトのMichele Michelotteのところを指さし、「夜」といっている。どうやら彼女は夜来るからその時に聞け、ということのようだ。それはいいとしてnaoさんを凍らせたのが黒猫の存在。ホテルの飼い猫のようだ。やばい、と思うより先にnaoさんは視界から消えていた。これから6日間、無事に済むのだろうか。
 仕方がないので歩いてSNCFの隣にある長距離バス・ターミナルに向かう。ターミナルには時刻表が小さなパンフレットのままたくさん貼り出されている。 ひとつひとつみるしかないかな、と解読をすすめているころ、naoさんは窓口に行って英語でいろいろ聞き出してくれた。結局必要な時刻表をもらい、運行の曜日などを確認したほうが早いということになった。というわけで(そんなに行けないことはわかっているけど)、エクス、アルル、ユゼス(ポン・デュ・ガールも通 る)、シャトー・ヌフ・デュ・パープ、リール・シェル・ラ・ソルグ 、オランジュ行きなどを手に入れる。ついでにSNCFの駅にもよってニームやオランジュ、アルル行きの時間を確認。
(誤解のないように断っておきますが、これらの見どころは観光シーズンだったらだいたい現地バスツアーがあって、スムーズに行けると思います。今回苦労しているのはシーズン・オフだから)
 もう今日はやることもとくにないので、通り道でもあるアヴィニョンのメイン・ストリート、レピュブリック通 りをぶらつく。naoさんがリクエストされた薬局で売っている化粧品、私はfnacでビートルズの「1」とジプシー・キングス(地元のカマルグ出身なのだ)のベスト盤を購入。両方とも119F、日本では2800円なので1000円ぐらい安い。naoさんも「1」を買う。彼女がカードで支払おうとすると「パスポートを見せて」と言われたようだ。後ろに並んでいた私はうろたえる。だって「はらまき」に入っているんだよん。わからないように苦労して取り出し私の番になる。クレジットカードを差し出し、パスポートを出そうとすると「あなたのカードは写 真があるからいらないわ」だって。ひえー。でもカード使用に厳しいのね。というかそれくらいやらないと不正がある、ってことか。
 naoさんが爆発したのは女性向けの数々のブティック。ブランドものではなく、だいたい300Fとおとく。彼女は年末のディナーショー用のドレスを物色しだす。店員がうるさくつきまとわないし、試着もしほうだい。「Bonjour!」と「Merci,Au revoir」をきちんと笑顔で言えばみんなやさしい笑顔を返してくれる。
 時計台広場はクリスマスのサントン人形やプロヴァンス色いっぱいのおみやげやさん?の市がたっている。そして決まりのメリーゴーランド。市庁舎ではなかなか立派なサントン人形が展示されている。クリスマスだなあ。
 ライトアップされているだろう、法王庁宮殿に写 真を撮りに行く。 誰もいないのを幸い、三脚を建てて思う存分撮影ができた(っていってもそう大したできではありませんが)
 夕食は時計台広場であやしく客引きをしていたカフェ でとる。恐ろしいことに昼間のブイヤベースがまだ消化されていないので、クロック・ムッシュウ(懐かしの味!)とサラダを注文。ついでにプロヴァンス名物の食前酒、パスティスも頼んでみる。アニスの香りがして複雑な味わいだった。
 ホテルに戻るとマダム・ミッシェルらしい人がいる。さすがに彼女は英語ができる。「ポン・デュ・ガールに行きたいんだけど、タクシーだと高い?」「高い!」「でもね」とさっきもらった時刻表を見せる。アヴィニョンからバス便があることはあるが、朝早くでかける便は帰りを考えると30分ほどしか見学時間がとれないし、 夕方の便で帰るとなると今度は時間がありすぎる。彼女になにかいい方法はないか聞いたのだが、どうしようもないという表情。「それよりアルル、ニームは古いローマ遺跡があっていいわよ。アルルとニームを勧めるわ」と、本題とは違う話に。要するに私たちの求めるアドバイスを聞くことはできなかった。自力でなんとかするしかない。とりあえず 明日はアヴィニョン見学だから、ゆっくり考えてみよう。


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