地下鉄を降りると学生っぽい人がみんな一つの出口に向かって歩いていたので、ついていけばいけるんじゃないか?と本能が叫んだ。ところがバスのはずなのに、みんなは歩いていく。おかしいな?と思いつつ、ついていくと地下鉄から出た 通りにバス停があり列になっていたので並んでみる。「歩き方」にある「v.Olimpica」でないため不安になり、自分の番がきたとき、一度逃走。観察を続け数台バスを見送る。結局「歩き方」にあった行き先のバスは見つからなかったので、「これに乗ってみるか」と決心し「パラ・ウナム?」ときくと、そうだというので乗り込んだ。
 ドア があいたままのバスに揺られること10分、それらしきスタジア ムが見えるものの、バス停もなく「どこで降りるんじゃい?」 と思っていると、ロータリーのところでバスが停まり、全員が降り始める。運ちゃんにエスタディオ?と笑顔で聞いてみる 。するとめんどくさそうに「シ」というので降りてみた。
 しかし今日は月曜日、スタジアムに用がある人などいるはずもなく、降りた学生は大通りを渡って、みんな大学の方に行ってしまう。一人取り残 されたスタオくんは「わしゃスタジアムが好きなんじゃ」とわきめもふらずスタジアムへ。まず岩姐様から必ず撮ってくるようにといわれたバックスタンド側の壁画を撮るためにそちらへ。
 このオリンピックスタジアムは往年のサッカーファンには忘れられないところ。なーんてったって、唯一?日本サッカーが銅メダルを取ったあのスタジアムだ。ついでにいうと今のニッポン、ニッポンのかけ声は、このとき自然発生的にメキシコの観客から出た応援のかけ声「ハポン、ハポン」から来ているとか。いわば聖地なのだ。 そこにはリベラの立体壁画がある。ここを本拠地としているのがやはりUNAMという名前のチーム。
 撮影を終え、スタジアムの観察に入る。まず第一に目に付いたのが、ポールの数の多さ。通常のスタジアムでは多くて3本、しかし、このスタジアムでは推定100以上のポールが立っていた。このポールこそ、ここでオリンピックが開かれた証なのだ、と一人悦にはいるスタオくん。そんなことを考えながらスタジアムに沿ってチケット売り場を撮影しつつ、ゴール裏へまわってみた。すると、普通の学生っぽい人や一般の人がどんどん入っていくゲートを発見。しかもスタジアムをよく見るとスタンドへ入るゲートが開いているではないか!!そこでスタオくんは考えた。「こりゃ行けるんやないか?
 ゲートのお兄さんに「入ってもいい?」というと、笑顔で「いいよ」というので侵入してみたが、スタンドには入れなかった。どうやら大学の体育の事務所と更衣室への通路のようでスタンドには行けないのだ。とぼとぼとメインスタンド側の方へ回り込む。すると、好機到来!誰もいないのに、開いているゲート発見。ちょっと周りを見回して誰もいないことを確認して入ろうとしたら、「ばおおおおん」と音を鳴らしてパトカーがやってくる。ごっついおじさんが降りてきて、「ダメダメ、入っちゃダメ(推定)!」。怒られてしまった。それでもめげないスタオくん。柵の間からカメラを入れ、スタジアムの全景撮影に挑むも、「しっし」と手で追い払われ、すごすごと大学の方へ向かった。

 道路の下の地下道を抜け、大学の図書館へ。(ここからはなんのときめきもない)図書館には世界最大のオルゴマンのモザイク壁画がある・・・そうだ。それも宿題だった。続いて本館にある、シケイロスの立体壁画。
 撮影が終わり、メトロの駅を探すが、UNAM(正式にはメキシコ国立自治大学)は広大な「大学都市」でいっこうに見つからない。「歩き方」の地図を見ながら歩くものの、スタジアムにいたるときのようなヒラメキもなく、「発見できません!」メキシコ随一の名門大学の学生なら英語も通じるだろう、と英語で聞いてもなぜか通じず、スペイン語で唯一「メディコ=医学部」の学生に聞く。英語で待っていれば学内をまわる無料バスがいくから、と教えてくれた。バスでメトロのUniversidad駅へ向かう。