周荘で「上質な時間」を過ごす?


どこを見ても絵になる周荘

12/10 いざ、周荘。

 5時30分。起きてみるとやっぱり小雨が降っているようなので、朱家角はあきらめて周荘(簡体字である「周庄」とあるガイドブックもありますが、日本語ではこちらの表記の方が適切と思っています)だけ行くことにする。となると7時のバス(!)なのでそのまま身支度を整え、6時10分ごろ部屋を出た。ホテルの前からわざわざ「大衆」を選んでタクシーを拾う。ドアを閉めると英語のテープが流れるあたりさすが。「上海体育場までお願いします」というと、「上海体育場までですね」と繰り返される。徹底している。おまけに少し行くと「上(つまり高架)で行きますか、下から行きますか?」と聞かれる。よくわからなけど「上で」と頼む。「上海体育場にある旅游集散中心までお願いします」「好!」「7時のバスなんだけど、間に合う?」「上で行くと早いので6時30分には着く」とのこと。うーん、スムーズだなあ。さすがに時間が早いので運転手さんのいうとおりスイスイ行けた。気がつくと巨大な競技場の前。運転手さんに「車はここから先にいけないから、右にまっすぐ行けば乗り場があるよ」と説明を受けて下車。もちろんレシートもバッチリくれた。
  バスがズラリと並ぶバスターミナルの先に待合室があり、中に切符売り場があったので、周荘まで、というと入場料込みで1人100元(街の入場料は60元もする!)だという。バスは指定席になっていて、チケットに印刷されている。4番乗り場から7時出発とのことだ。待合室には人もまばらで手持ちぶさた。売店があるのでOliveさん、ホットドックを買う。私もホットレモネードとともに買ってみた。ちょっと中華な感じの不思議な味だった。ホットレモネードも昔懐かしい?人工的なレモンの香りと味がして結局ほとんど飲めず。バスがきたので改札とともに乗り込む。車内にはラジオが流れていて、ぼーっと聞いていると7時の時報とともにドアが閉まり発車。この時間厳守ぶりには驚いた。女性の車掌さんが乗り込んでいて、少し説明がある。1時間30分で着く、とのこと。バスに揺られてしばらくすると予想通 り眠くなり、車が停まる気配に目が覚めると周荘に着いていた。バスターミナル(といっても寂しい限り)の門のところにはたくさん人がたむろしている。これはリンタクの客引きでとにかく争奪戦が激しい。目指す古鎮まで正直いってどう行くかもわからないのだけど、とにかく振り切り適当な方向に歩き出す。客引きが一緒についてくる。5元、というのを「ダメ、高い」と振り切り(ひどい?)結局4元ですんごいしぶしぶのふりをして乗り込んだ。

古鎮の茶楼でまったり

 自転車が着いたところは裏口?という感じで狭い路地に出てしまい「いったいここはどこなんだ」状態に。朝も早いのでまだ人もほとんど歩いていない。やっと見つけた道の名前を手がかりにガイドブックのコピーで現在位 置を確認する。近くに「全福大橋」があることがわかったので行ってみるけど、雨に煙ってイマイチ。見るとかなりな数の集団が橋を渡っていた。さらによく見ると日本人団体ツアーだった。くわばら、くわばら、で早々に立ち去る。寒いので暖まろうということでまずはOliveさんが行きたがっていた三毛茶館に向かう。古びた感じの茶館を見つけると入り口にいた店のおやじは電話中。私たちを見るや2階へ行けと階段の上を指さした。木造の古い階段を上ると薄暗い中、中国人のグループが瓜子をつまみながらお茶を飲んでいる。運河が見渡せる席に着く。座って待っているとさっきのおやじ(というより主人、という表現が似合いそう)が上ってきた。メニューを見るとやっぱり緑茶が充実しているようなので、ここはスタンダードに碧螺春、Oliveさんは龍井茶を注文してみる。出された大きな蓋碗を一口飲むなり、「おいしい」。寒いのも手伝って本当に緑茶のビタミンCが体に染みていく気がする。Oliveさんは今まで緑茶はどうしてもうまく煎れられず、烏龍茶一辺倒だったけど、改めて緑茶のおいしさを知った、と感動する。お湯を入れた素焼きの土瓶が運ばれてきた。これだとしばらくお湯も冷めないはず。これも宜興産かな。しばらくするとにこやかな笑顔の主人がお茶請けを運んできた。棗と特産の塩豆、花生酥(ピーナッツクッキー)の3種類で、どれもおいしい。お茶をすすってはお茶請けを食べ、時間がゆっくり過ぎていく。窓の外は運河。なんて渋いんだろう。今日のような寒くてどんよりとした天候の方がこういう茶館で過ごすにはいいかもしれない(夏は暑そうだしね)。
 蓋碗にはある文章が書いてある。この茶館の名前のもとになった、三毛さんという台湾の作家からのお礼状の一節をプリントしているのだ(手紙は壁に貼ってある)。三毛さんはここの主人の接客ぶりがいたく気に入ったのだという。なんだかわかる気がする。年輩の男性ならではの、ココロのこもったサービスという感じでとってもいい印象なのだ。他に張藝謀がロケハンに訪れた新聞記事の切り抜きなどが貼ってある。少し前の新聞のようだけど「黄土から水郷へ」みたいな見出しがあり、彼がカメラマンとしてデビューした「黄色い大地」をひっかけている。国際的に著名な映画監督である張藝謀が江南の水郷に興味を示し、ロケハンをしたそうな。もしかして「上海ルージュ」とかで使われたかな?このあたりの水郷は映画やドラマのロケに度々使われている。たしか周荘は「花の影」で使われたような記憶がある(未確認)。
 ずいぶん「まったり」して時間が過ぎて、そろそろ散策にでようと、まずOliveさんがトイレに行くが、しばらくすると戻ってきた。店にはトイレはなく少し歩いた公衆トイレを教えてもらったけど有料で小銭を持っていなかったので戻ってきたのだ。
 そんなわけで店を出て(ちゃんと領収書もくれたよ)、有料トイレに行く。ところがトイレ番のおばちゃんがいない。中のトイレはよく掃除されていて、戸もあるし、日本人でも抵抗なく使えるレベル。これでこそ有料トイレだ。世界遺産をめざしているだけあって、観光インフラが整っている。(九寨溝への道中のトイレがとほほ・・だっただけに感心)後でトイレ番のおばちゃんが現れたので支払う。
 「あれ?そういえば、私、傘をどうしちゃったんだろう」。三毛茶楼で忘れたに違いない。店に戻ると私の顔をみるや、主人が「あ、傘を忘れたでしょう」とわかってくれた。人をなごます笑顔がいい主人だ。

観光スポットにあのサッカー選手が?

 バスとセットになっている街の入場チケットはそれぞれの観光スポットに入場できる。それぞれのスポットのところに行ってチケットにはさみを入れてもらう仕組み。まず通 りの端にある迷楼へ。2階はいかにも昔の金持ちの部屋という感じ。こうやってお茶を飲みながら優雅に麻雀なんかやっていたんだなあ、としみじみ想像できるジオラマがある。人もいなくてガラガラ。
 続いて三毛茶楼の向かいの棋院(将棋の駒なんかがおいてある博物館)、そして澄虚道院という道観。チケットにはさみを入れてもらう・・・と、そのお兄さん、アントラーズの本山くんそっくり。昨日チャンピオンズカップの試合に出ていたから、そんなはずないけど(笑)本物?と疑うほど似ている。横にはこの道観で服務に当たっている全員の顔写 真が載っていて(道主さままで)、本山くんは黒の蝶ネクタイ姿で映っている。似合わない〜。かなりの童顔でまだ高校生?という感じ。道観の中味より、彼に興味がいった私はさっと形だけ道観を見て、さっさと入り口へ戻る。戻ると寒いのか、暇だからか(あんまり見学客がいないのだ)、何度も落ち着きなくジャンプしている。「さすが、サッカー選手」とOliveさんつぶやく。入り口でたたずんでそれとなくツーショットになるように写 してもらおうとする。すると自分が映っては邪魔だ、と思った本山くんは、ジャンプしながら(!)ものかげに隠れてしまった。絶好のシャッターチャンスだったのに。「こういうとき変にシャイなんだから!」(つまりちゃんと写 真に一緒に写りたいと言え)と促されるけど、別に本物ならまだしも、いきなり写 真に一緒に撮りたいって不自然で誤解されても困るし(しないか?)結局ツーショットはあきらめる。彼だけでも、隠し撮り、と思ったけどとにかくデジカメを向けたとたんジャンプして隠れてしまうので断念。しかし太い眉毛といいそっくりだったなあ。

双橋のたもとて展開される「商魂」

 時間も経つとだんだん街を歩く観光客も増え、せまい路地は大混雑に。とくに双橋のところはたくさんの人がいた。無錫からの団体客がすごい数。中国でも人気のある観光地なのだ。双橋のそばでは桂花(キンモクセイ)や菊花、メイグイ(ハマナスの一種、小さなバラのよう)などの花茶を売るおばちゃんがたくさんいる。桂花の缶 を道行く人にかがせては「桂花!いい香りでしょ?」と勧誘。Oliveさんがちょっと興味を見せるがだいたい香りが勝負の桂花なのに雨の日にもビニール袋を開けたままにして売っているんじゃ香りもなくなるというもの。安くはあるだろけどどうせなら上海の、ちゃんとしたお茶屋さんで買った方がだんぜん質はいいはず、と説得?して納得してもらう。 Oliveさんはあちこちの店先に飾っている毛糸で編んだスリッパに興味を持ったが、底がゴムなのが気に入らず、結局買わなかった。
 双橋のたもとにおばちゃんたちが何人かいて、さかんに歌を歌っている。ところが(私たちは有料と知っていたけど)彼女たちと橋を写 真にとり、その場を立ち去ろうとした観光客に10元を請求しているのだ。Oliveさん目撃談によると、一番端に立っていたおばちゃんがその「捕捉係」のようで、見た目からは想像できない速さで観光客の後を追いかけ、お金を請求しているという。すごい商魂。せっかくの情緒あふれる橋も味わいが薄れるよ。
 小さな店がいろいろあるが、さっきの三毛茶楼で食べた、花生酥を売る店があったので購入。その場でつくり、包丁を入れている。名物の万三蹄もあちこちに店がある。これはとにかくインパクトがある。豚の足だもんなあ。
  瀋庁(簡体字では沈庁)は明代の豪商の邸宅。びっくりするほど奥行きがある。しかも裏には船着き場があり、船で出入りできたことがわかる。しぶ〜い廊下といい、映画の世界そのもので感動した。奥の部屋ではおばちゃんたちが民芸品の靴を作っている。なかなか色彩 がかわいい。テーブルには蓋碗とお茶請けが。これが話に聞く「阿婆茶」というんだなあ。同じく張庁もなかなか見応えのある邸宅だった。

運河を眺めながら名物料理を味わう

 お昼は富安橋のすぐ横、運河が見下ろせる食堂でとる。テーブルに食事をしているグループがいて客か?と思ったけど実は店の人で、そのへんを歩く観光客と変わらないスーツ姿のおにいちゃんお昼を食べるのをやめてサービス開始。名物の青団子5元や河蝦30元、高菜炒め8元、三味圓湯(ワンタンスープ)18元、それに万三蹄60元を注文。万三蹄は見た目はインパクトがあるけど、とても身がやわらかく、意外にあっさりしていてご飯によくあう。窓辺の見晴らしのいい席を陣取ったのはいいけど、窓はあけっぱなし、ドアもない「オープンカフェ」のような作りなので、とにかく寒い。コートを着たまま、白い息を吐きながら食べるのって中国ならではかも。私たちのテーブルは絶好の場所らしく、となりで食事をとっていた中国人グループが(私がそこにいるにもかかわらず)後ろに立って窓の外の景色と一緒に写 真をとっている。レンズを見ずに斜め横から撮るのが特徴だ。しかもそれが何人か代わる代わる後ろに立つのですんごく落ち着かない。せめて食べるのをまってやってくれればいいのに。私も中国人風のポーズをとってみるけどはずかしくて顔がにやけてしまう。中国人はこれを大まじめに撮っているんだからすごい。 
 近くの船着き場から遊覧船に乗ってみる。1艘8人乗りで60元。写真を撮ろうと少し移動すると船が微妙に傾いたりする。のんびり運河の中から町並みを見渡すのもいいもんだ。ちょうど橋を渡っている人に写 真をとられたりするのはまるでベネチアのよう。
 歌を歌うか?と聞かれたけど断った。端まで行ってUターン。30分ほどの遊覧だったけど、ベネチアのゴンドラとともにこれはお約束、っていう感じですね。 例の双橋のおばちゃんも船から撮る人まで追いかけられないし。
 残る見どころ、周荘博物館へ。展示品よりも昔の民家を改築した建物に興味が行った。ここもなかなか渋いんだ。しかし古い道具入れにそのまま皿などが積まれているだけのおおざっぱな展示の仕方に美術館勤務のOliveさん、心を痛めたよう。
 だいたい見どころはまわったし、街をかれこれ2周はしている感じ。あとはブラブラお店を見て回る。いくつかの古道具屋で茶壺を飾るのによさそうな飾り棚がたくさん売っている。すんごく欲しかったけどいったい部屋のどこに置けばいいのだ?と思いあきらめた。代わりにお茶道具を入れるための黒檀の入れ物を買う。日本ではなかなかこれだけでは売っていないもん(後日評:セットで買ったように黒檀の茶道具とよくあって気に入っています)。一方、Oliveさんはやっぱり万三蹄をご購入。無料サービス真空パックにしてくれる。これを持って帰るってすごいなあ。塩豆も購入。ここで絵になる風景の数々をご覧ください。中には人物のせいで「絵になっていない」ものもありますが。
     

最後に周荘を見下ろす

 2時30分のバスで上海に帰ることにするが、まだ1時間ほど時間がある。古鎮の入り口(こっちがメインの出入り口のようだ)にはまたもやリンタク屋がズラリ並び、観光客と見るや乗っていかないか、の勧誘合戦。それを振り切り、どうも安っぽいつくりの全福塔へ。上にはらせん階段が続いているけどOliveさんは登らないと言う。(実は蘇州虎丘の後から筋肉痛らしい)一人で登り始める。なぜか3階部分におばちゃん服務員がおじちゃんとさかんにおしゃべりをしている。ハサミを入れてくれるのかと思いきや、ちらっと(ああ、物好きねという表情を浮かべて)一瞥し、ほとんど無視するようにおしゃべりを続ける。めったにこない客だろうに、この堕落ぶりはなんだ、と思うがかまわず登る。らせん階段は少し狭く急でさすがに足が重くなる。やっとの思いで最上部に到着。私の他に誰もいないし、360度さえぎるもののない眺めはなかなか爽快だった。古い屋根ばかりの旧市街と逆方向を見ると遠くに湖が見える。
 降りるとおばちゃんたちは依然としておしゃべり中。見向きもされないのだった。下に降りて、Oliveさんと向かいにあったスーパーに行ってみる。
 スーパーを物色したあと、バス停までリンタクに乗ることにする。おばちゃんがいたので交渉開始。なんとか3元にしたかったけど「2人だから3元はだめ。4元」とさすがに譲らない。仕方がないので4元で手を打つ。リンタクから見る新市街の方は、とくに特徴のない、田舎町という感じだ。バスターミナルに到着するとき、共同財布を預かるOliveさん、財布に細かいお金がないのに気が付いた。結局5元紙幣を渡すとおばちゃん大喜び。1元お釣りをよこせ、と鬼のようなことは言えないのでそのまま「謝謝」。結局交渉は無意味だったのだ〜。
 バスが1台停まっているけどそれが上海に帰るバスなのかよくわからない。そこで乗っていた客に上海に戻るバスかを確認。そうだ、というので席に着く。帰りは別 に座席指定ではないようだ。するとすぐ後ろの座席から日本語が聞こえてくる。なんだ、日本人いたならこの人たちに聞けばよかった。
 30分ほど車中で待って出発。行きはノンストップだったかもしれないけど帰りは乗り合いバスって感じになった。途中の大観園や行きたかった朱家角にも停車して客を乗せる。(半分寝ていたので不確か)上海近くで少々渋滞したものの、4時30分に上海体育場に戻ってきた。10分ほど歩いて体育場の地下鉄駅へ。上海の地下鉄に初めて乗る。

雑貨店のハンサム店員に心ざわめく中年女2人

1つ目の衡山路はおっしゃれ〜なバーやレストランが集まるスポットで有名な場所。フランス租界時代の町並みもいい雰囲気だ。雨だし、やっぱり茶でも飲もうということで入ったのが「耕読園書香茶坊」。清潔な店内。メニューには台湾茶が目立つけどやはりここは大陸だ。っていうんで鉄観音を頼む。やはり蓋碗で出てきた。お茶請けの話梅がおいしい。客がいないテーブルで店の服務員全員が食事をとるところなんか、日本ではなくて中国ではわりと見かける光景だ。
 少しリフレッシュしたところでそとの雨にもめげず、ブラブラ歩きを開始。雨だし夜には少し早いので人通 りは少ない。しかし店のセンスはなかなかのところが多く、売っている商品の値段もそれなりに高め。ちょっと行ってみたかった「Shimply Life」へ入ってみる。タイなどのアジアン雑貨を扱う店で日本人の女性客も何人かいた。値札が貼ってなかったりするので値段を聞いてみる。店のお兄さん、愛想なし。ところが2人ともとってもハンサム。そのグッドルッキングな2人のお兄さんがレジ付近でやる気な〜い、という感じでじっと客を見つめる。結構いろいろ見た割には買わなかったけど(他でもっと安く売っていたりするし)、出るなり2人でお兄さんたちの印象を語り合った。「いや〜オーナーがルックスだけで採用した、って感じだよね。かなりレベル高いよ」「これなら態度悪くても許す、って気になる」。確かにそれだけで行ってみる価値アリだった。(このお店、タイレストランもやっています。そっちもルックス採用された服務員が多いかもしれません。)普段「きれいなお兄さん」がいる環境にいない反動か、中年女2人はしばらく有頂天だった。
 結局地下鉄駅には遠いのでそのまま20分ほどブラブラ歩いて、淮海路へ出る。夕食をどこで取るかさんざん迷い、鷺鷺酒家の本店の方にしてみる。鷺鷺酒家は浦東にもお店があるけど本店の方が絶対おいしい、と上海出身の留学生に聞いていたからだ。

鷺鷺だけどサギにはあらず

 やっぱりタクシーを吟味して、大衆のタクシーを拾い(雨なのでなかなか拾うのが大変)、水城南路の鷺鷺酒家へ向かう。運転手さんもすぐわかったようだった。予約もしていなかったので少し不安だったけど2人なのでわりと素直に席に着くことができた。たしかに地元の人たちで大にぎわいの店だ。
 お店のお兄さんはやっぱり王志文似(この前の蘇州の運転手より似ている)。その王志文似お兄さんのお薦めでメニューを頼んでみる。なかでもお勧めは「毛蟹炒年ガオ」毛ガニの甘露煮、お餅ぞえといった感じ。濃厚な味付けなので、下に敷いてある楕円形のお餅(日本のお餅とちょっと違う)と一緒に食べるとなかなかおいしい。他に豆腐が食べたいというので豆腐料理と鶏、高菜の料理、加えておやきのような料理。お兄さんはデジカメを撮っていると、「見せて」とわりとフレンドリー。最後は食べた料理の名前を丁寧に書いてくれた。他の服務員も感じがよい。老舗との違いはひとことでいえばサービス態度ではないだろうか。

ますます老境?のオールドジャズバンド

  タクシーでホテルまで戻る。雨がやんでいたので、かなり疲労度が高いOliveさんを連れて外灘散歩へ。何せ、今日はせっかく泊まっているんだから「オールドジャズバンド」の演奏が聴きたい、というリクエストであのジャズの演奏をきかなければならない。一度部屋で落ち着いてしまったらOliveさんはそのまま眠りに落ちてしまいそうだから阻止しなければ。外灘は観光客で賑わっている。ライトアップ対岸の浦東もきれい。私だけデジカメや一眼レフで撮影するがOliveさんはテンションが低い。
  戻って「ホテルの宿泊者に見えるようにコートなしで手ぶらで」ジャズバーへ繰り出す。ホールは満席。唯一後ろの角の席が空いている。柱がちょっと邪魔だけど。しばらく聞いていて、Oliveさんさん苦笑い。「だってあのトランペット、途中で息が続かないんだもん」。確かに聞いているとこちらが苦しくなってくる(笑い)。スタンダードなジャスナンバーより、蘇州夜曲といった中国の曲の方がまし、という評価だ。「トランペットとドラムとサックスが代わればましになるかも」うーん、それってもう「オールドジャズバンド」のオリジナルメンバーじゃなくなるものね。88年に聞いたときからレベルはかわならいか、歳を取った分、ちょっとつらいかもね。リクエスト曲のリストもある。なんと1曲30元。そのリストにはやっぱりあった「北国の春」。前にこれをやられて少し悲しくなりましたからね。幸い、ツアー日本人観光客は早い時間からいるので10時30分を過ぎるとだんだん帰ってしまう。休憩時間になってほとんどいなくなった。つまり「北国の春」の危険がなくなった。欧米人が目立つようになる。しばらくして演奏が再開されたけどメンバーが違う。休憩時間の間にメンバーが替わったのだ。高齢者には長い時間の演奏はもはや無理なのだろう。メンバーが若返った分、演奏の質は高くなったけど、逆にオールドジャズバンドとしての個性は薄れる。ホテルの名物だから無くすわけにもいかないだろうし、世代交代って難しいなあ。
 お風呂からでて髪を乾かし部屋に戻るとOliveさんさんはもう眠りの中だった。それでも「もう寝たの?」と聞くと、「ううん」と返事だけが返ってきた。新旧中国を感じる濃厚な1日。こうして上海の夜は更けていった・・・

12/10 Oliveさんの成果(yantian確認分)

食べ物

花生酥(6袋)
万三蹄
塩豆

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