No.108

トリートメント  刮沙 [病だれ+沙]

★★★★1/2 

監督:鄭暁龍 出演:レオン・カーファイ(天上の恋歌他)朱旭(こころの湯他) 蒋[雨+文]麗(女コーチ他)

 中国映画祭にて日本語版を鑑賞。すごく残念だったのは、すべて中国語による吹き替えになってしまっていること。本来は、アメリカで暮らす中国人一家のお話で、ほとんどが英語のセリフ。その中で英語がまったくできないおじいちゃん役の朱旭だけが例の味わいのある中国語を話しています。そのコミュニケーションの困難さがひとつのテーマであるのに、なんで全部中国語にしてしまったんだろう・・・。とくにデニス(子役)の吹き替えはわざとらしく興ざめ。もしも日本で配給するときは十分考慮してほしい。写真は蒋[雨+文]麗さんの舞台挨拶。素敵でした。
 2000年一番のヒット作ということですが、なるほどなかなか楽しめる話でした。レオン・カーファイ演じる大同はゲームソフトの開発で成功し、みごとにアメリカン・ドリームを実現させたのですが、熱を出した孫・デニスに父親が中国の伝統療法である「刮沙」を施したことで 、「児童虐待」で告訴されてしまうのです。法廷では彼の不利になる証言ばかりが続き、どんどん大同は追いつめられていきます。西洋と東洋の価値観の違いといってしまえばそれまでですが、小さな誤解から彼はアメリカで得たすべてを失っていく・・・。その中でやっぱり朱旭のぐっと引き込まれる演技が光ります。妻簡寧を演じる蒋もかっこいい。中国系アメリカ人を描いた作品に「推手」などアン・リー監督の作品がありますが、法廷という場でアメリカ的価値観と中国の価値観を戦わせたところがこの作品の妙といえるのではないでしょうか。(ところ構わずタバコを吸うおじいちゃんへのチクリとした批判も。これもアメリカVS中国!)
 そのまま悲劇に終わるの?と思いきやちゃんと最後に見せ場があります。 その「逆転劇」はまあ、できすぎていますが、ちょっと心を温かくします。「大地の子」でも義理の親子を演じた朱旭と蒋[雨+文]麗、レオン・カーファイという日本でもなじみ深いキャストなので、日本で公開しても結構いけるのでは?(2001.6.9 2002.9.19)

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