No.91
チンパオ 陳宝的故事
★★★★1/2 

監督:中田新一 出演:田村高広、大浦龍宇一 岩崎ひろみ 金山一彦 徐可心 禹天姿

 中国では「日本鬼子」であるはずの日本兵士がこんなに優しいわけはないと物議を呼び、中国では上映されていないようですが、(そして日本では自主上映、という形ですが)少しでも多くの人に見てもらいたい感動作。
  水墨画のような桂林を背景に語られる話はあまりにも悲しい。陳宝役の徐可心、妹陳恵役の禹天姿2人の子役が存在感のある演技でまたまた泣かせてくれます。
  堀軍曹の「翻意」が唐突に感じられた点、少し回想シーンとの切り替えがわかりにくかった点、ちょっと音楽がありきたりな点がありましたが、全体にはひとつひとつのシーンに高いメッセージ性を持っていて、それでいて過剰な演出に走らないのに好感が持てます。おそらく中国語のセリフには相当な苦労があったのでしょう。相沢伍長の話す中国語が日本人的なものではなく、中国人が考えた中国語らしい中国語であることでそれが感じられました。撤退するとき、負傷兵に手榴弾を手渡すシーンなど、悲しかった。
  戦争に対する日中の溝はまだまだ深いのだな、と感じつつも「鬼子」ではなく、相沢伍長のように矛盾を感じつつも反抗できない命令のもと、動くしかなかった「人」もいたことを理解するきっかけにしてもらいたいと思います。
 上映のあと、監督、俳優を交えてミニトークショーがあったのですが、会場から沖縄で少年兵だったという人の発言がありました。牛を飼うのを仕事としていたこと、やはり撤退のときに負傷兵に手榴弾を渡したことを語られました。印象深い話でした。

全国順次自主上映されています。 50人集まれば上映できるそうです。
この映画の上映を推進している会のサイトはここ。上映日程もわかります。

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