No.167

HERO 英雄

★★★★1/2  
監督:チャン・イーモウ 出演:ジェット・リー トニー・レオン マギー・チャン チャン・ツィイー ドニー・イェン

 

 結構堪能しちゃいました。途中の長い戦闘シーンで、寝不足のせいか意識が遠のいたときが一度ありましたが、それを除けば迫力の映像美に圧倒される100分間です。
 「アジアンパワー」を結集させた、といわれた「グリーン・デスティニー」ですが、これはさらに凌駕しているかもしれません。「グリーン・・」でのヨーヨー・マに対抗して?イツァーク・パールマンを起用したのも、なんとなくチャン・イーモウの秘めた闘志を感じます。また、おそらく絶対比較されるだろう「始皇帝暗殺」とも全然違います。「始皇帝暗殺」は荊軻の史実をベースにしているのに対し、これはオリジナルなのです。またCGを使ったことも注目点でしょう。
 会場には結構トニー・レオン迷率が高かったのか、鼻をすする音があちこちでしていたのが印象的でした。
 さて、映像ですが、これもチャン・イーモウに見られる色彩へのこだわりが、結集した感じです。最初に印象に残るのが、秦の国の「黒」、それから「赤」「青」(グリーン)、「白」と徹底した使い分けをしています(そのおかげで少々混乱しがちな話が少し整理できるのですが)。決闘シーンでは九寨溝の湖面のシーンと胡楊の森のシーンが圧巻でした。
 正直言って任侠映画、と聞いたとき、耳を疑いました。そしてそのテーマが「始皇帝」と知ったとき、「なんで?」と思いました。なんとなく散漫になってしまった「始皇帝暗殺」の印象が強かったからでしょうか。結局、チャン・イーモウってどんな性格の映画でも撮れる人なんだなあ、と感嘆せざるを得ませんでした。
 さて主役級の人たちの演技で一番印象的だったのは、秦王の陳道明。パンフにも載っていましたが、これまでの残忍な独裁者というイメージをまったくくつがえす、王としての威厳、鋭い洞察力、そして孤独感などをにじませています。彼と無名のやりとりは、地味ながらも一番緊張感があるシーンでした。最後のセリフをいうときの表情にも(セリフをばらすとネタばれなので)複雑な感情が出ていて感動的でした。
 私が個人的に心ときめいたのは「中国のじーさんコレクション」に早くから登録されていた?劉仲元じい(「人生は琴の弦のように」の師匠)。健在でうれしかった(しっかりクレジットを目をサラのようにして確認!)。しかもかっちょいい、しぶい役どころ(「赤のエピソード」の老師)ですぞ。
 

今夏 丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

 公式サイト→

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