No.129

フルムーン 月圓今宵

★★  
監督:陳力 出演:奚美娟 彭玉 高強

 
 中国映画祭で1度だけ上映、しかも日曜日の夜という一番混雑する時間帯に設定した事情もわかるような作品です。正直言って外国人である私たちが「映画」として楽しむのはちょっとつらいかも。
 そもそもこれは「主旋律映画」といい、ちょっと前から盛んに製作されている、いわば国家のお墨付き映画。予算も出るし、悪名高い検閲ももちろんOK、テーマは「中国万歳!中国共産党万歳」というもの。だから斬新な表現などあろうはずない。文革前とかならわからなくもないのですが、今これを見るのは才能溢れる監督たちの、意欲作に比べるとあまりにも色あせて見えます。
 ストーリーはエリート中年女性共産党員が、居民委員会(自治会とはちょっと違う、自治組織。使命感に燃えるおじいちゃん、おばあちゃんが主な構成メンバー)に出向することで始まる。地域で起こるもめ事に、親身になって取り組み、次第に受け入れられていく、ってところか。
  もちろん彼女と耳の不自由な老父との触れあい、ヤンやリュウさんとの人間模様など見どころはあるんですが、それを上回る「できすぎ」ストーリーがいかがなものか?アメリカ人が「中国で言う人権とは・・・」というセリフには苦笑するしかなかったし。わざとらしいBGMの使い方に、20年前の映画を見る思いがしました。そしてあまりにも「大団円」なラストシーン(宝塚か?)で1/2減点しちゃいました。まあ、これも中国映画の一部ですから、向学のためには観ておいてよかったかも 。(日本でのロードショー公開はないとみた)
  あ、ちなみに耳の悪いお父さん、テレビで「バルサ戦」を観てました。「リバウド」だけ聞き取れたよ。通 だね。
  (2002.9.22)

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