No.18

鬼が来た!(鬼子来了)
★★★★1/2

監督:姜文(太陽の少年他) 出演:姜文 香川照之

 カンヌでパルムドールをとったあの作品がやっと公開の運びとなり、恐悦至極状態で出かけました(会場は年輩男性の姿が目立った)。
  タイトルから容易に鬼とは日本軍のこととわかるし、抗日戦争の暗いエピソードを綴った作品かと思いきや、ラスト近くまではなかなかブラックユーモアの効いていて、展開が面 白い。ワンカットがとても短いし、日本語・中国語のやりとりがテンポよく進んでいくので、ついていくのがやっとという部分もあります。最高だったのはやはり、捕虜になっている日本兵・花屋がありったけの罵声を浴びせようと通 訳のから習ったセリフ。実に憎々しい表情で「新年おめでとう!」と叫ぶ。パンフによると、香川照之はこのセリフを100カットも撮影されられたそうだ。複雑なその演技はすごく印象に残る(そのイメージで大河ドラマ「利家とまつ」の秀吉を見るのも一興です)。なんとかその場をとりつくろう通 訳の機転も笑わせます。モノクロの映像なので「太陽の少年」のようなあの、あふれんばかりの鮮やかさとは対照的だと思いながら見ていたけど、実は最後の一瞬だけカラーになる。そのシーンは「鮮烈」という表現がぴったりで、なんだかずっと記憶に残る映像です。姜文は細部まですごく考えた映画を撮ったんだな、と感じました。ちょっと身震いするぐらいです。ただ、香川照之もインタビューで言っていましたが、酒宴が突然惨劇へとかわるきっかけとなった、花屋の行動はやっぱり少しわかりにくい。平和な日本からみると「戦争の狂気」といってもピンとこないのです。
 さて、今回の俳優陣はなかなか興味深いものがあります。何度も書いていますが「味のある中国のじーさん」フェチな私、yantianとしては、ウー長老役の陳述は「ごーかく!」。澤田謙也演じる酒塚隊長はあまりにもはまっていて、こんな人が「日本鬼子」と言われた所以なんだろうな、と見ていて日本人としては悲しくなるやら、やはり複雑な思いがした。日本人俳優は軍事訓練から受けたというから、そのリアリティは本物なのだ。ところで、香川照之も、通 訳の袁丁も澤田謙也も私と同じ歳!同じ年代が関わった作品となると見方も変わりますねえ。
  それとマニアックネタですが、最後のテロップに、国民党軍の通信兵?として「姜武」という名前があったようですが錯覚でしょうか?本当だとしたら兄の作品に弟がちょい役(だってどれかも思い出せない)で出ていることになるのですが、どなたか確認したらご一報ください。←パンフに載っていました。やっぱりゲスト出演していたそうです。ぜひお見逃しなく!(2002.4.29)

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