No.186

延安の娘
★★★★1/2

監督:池谷薫

 日本人監督とスタッフ、製作なので本当は中国映画とはいえないけど、現代史の裏側にスポットを当てた、お勧めのドキュメンタリー。
  文革中、北京から多くの若者が革命の聖地・延安に下放された。狭い世界の中で、子どもができるケースもあったが、当時恋愛は絶対タブー。何海霞さんもそうした子どもの一人で密かに農家に預けられ、成長。やがて自分の実の両親を捜すことになるのだが・・・。
 NHK-BSでやっていたドキュメンタリーがベースになっていて、新たに延安に残された人たちを追ったり、いろんな「横糸」が肉付けされていた。
 なかでも「枯れたじいさんフェチ」の私がうなったのは、インターバルに挿入された「老紅軍じーさんず」の会話。あごひげじーさん&横で話していたじーさんがまさにジャスト・マイ・タイプでコーフン!。
 また、延安に残された人ですごいインテリがいて驚いた。まさか「帰納法」やら「演繹法」という単語がでてくるとは。 世渡りが下手で、要領が悪く結局北京に帰ることもできず、ああして下放先に埋もれていく人も多いのだろう。「シュウシュウの季節」を思い出した。さらになんで海霞さんが産まれることになったのか、というのを同級生だったおばちゃんたちが想像たくましく話しをするのに笑ってしまった。
 ドキュメンタリーならではの説得力があるし、度々映し出される黄土高原、とくに最後のカットも印象的。
 ところで海霞さん、20代って信じられない。乾燥した土地でお肌の手入れもせず、苦労するとお肌年齢はものすごく高くなってしまうのか。ちなみに海霞、というちょっと農村には似つかわしくない(ごめんなさい)詩的な名前、1975年に撮られた映画『海霞』からとられたのでは、と掲示板の常連さんからのご指摘。勇敢な女性民兵の物語で、「海霞」は当時の人々のあこがれだったらしい。なるほど!(2003.11.15)

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