Home>闘病記?top> 退院後

 

再入院「クリスマスがやってくる〜編」 

 

●ぽこ・あ・ぽこ

12/8 朝一番で「エホバ」が隣の人の所にやってきて話し込んでいるので、思わず聞き耳を立てる。「退院したら、いい病院探そう」などと話していてびっくり。私から見れば手術してもらっただけいいと思うんだけどなあ。隣の人もそうとう末広亭が苦手なようだ。
 その後M尾先生がやってくる。お尻の痛みは時間とともに落ち着いてくるとか。末広亭も言っているように、とにかく時間が解決してくれるようだ。向かいに入った人は会話から私が人工肛門だったことを知り、家族と「人工肛門だって。まだ若そうなのに大変ね〜」と言っていた。小声のつもりだろうがまる聞こえ。そう、大変だったんです。私をはじめ、だいたいの患者さんにほぼ毎朝こんな感じで丁寧にお話をしていく先生なのに、隣の人には結構クールで、「できるだけのことはしていますから」とこの日も一言だけ。あるときには「熱が下がるように神様にお祈りしてください」と言っていた。やっぱり信者なのね。
 回診で消毒がなくなった。食事も再び流動食からスタートすることになった。本来は明日予定されていた退院について聞くと、先にしてもいいとのこと。やはり食事をしてちゃんとメドがたってから退院したい。F田先生「ちなみにレントゲンの感じでは(いつ退院しても)大丈夫そうです」。うーん、そうは言ってもな〜。
 今日の部屋担当はヤマクミ。点滴を持って現れる。「私、もう刺す場所がなくなっているらしいよ」「今日は全部の患者さんの点滴を1回で刺せているから、大丈夫(と、自分に言い聞かせるように)」おいおい、いつもは?そう言われるとちょっと恐ろしくなる。「でもね、血管が出なさそう、と言われるわりに、今まで失敗はされていないから」と安心させようと思って言ったのに「え〜そんな〜プレッシャーかけないでくださいよ〜」。大丈夫か、ヤマクミ!!はじめは右手をゴムで巻かれたけど結局赤くかぶれた所以外、刺せる場所が見つからず、手がまっかに。結局左手にまき直し、慎重に慎重に場所を探されて無事通った。
 3BのロビーでY野さんとだべっていると(なかなか病室に近いところでは話せないので)、M尾先生が通りかかかった。「決して追い出そうとしているわけではありませんから、自信が持てるまでいていいんですよ。焦らないことです。焦ってまたすぐ戻ってきたら意味ないですからね。食事が上がっていくけど(→だんだん普通に近づく)あぶない、と思ったらすぐ(段階をあげるのを)止めますから言ってくださいね」「はーい。わかりました」ポコ・ア・ポコ、少しずつゆっくり、なのだ。
 なんでも朝の回診のとき、例のエホバさんが末広亭に「先生、難しい手術をありがとうございました」と言ったそうな。すると末広亭は「あんな手術、少しも難しくない。歪んだ人の心を治す方がよっぱど難しいんだ」と言ったそう。聞いていたY野さん、「院長うまい!」とうなったとか。このエホバさん、本当に血の気ゼロで真っ白な顔をして散歩していた。手術が無事にすんで起きられるだけでもこの病院でよかったんじゃない?
 さて、お隣のお仲間は肝臓の手術から感染症になりもう1カ月も入院しているのだと話しかけてきた。熱が下がらず家族に「騙された」とさんざんぼやく。向かいの人は胆石が疑われ、MRCT検査。そうとう苦しいようだ。斜め前の人は毎日ダンナと息子2人が夜やってくる。なぜかみんなでテレビを見て、帰っていく。(後で聞いたら院長から毎日来て励ましてやってくれ、と言われたのだとか。一応一人ひとりの状況にあわせた心のケアをしている、ってことか?)
 Y野さんと退屈なので、いろんなネタを探す。ぐるぐる散歩するうち、必ず途中ですれ違う、四角顔の半袖男の存在が気になってきた。たしか単純なスポーツ刈りなのに、夜3Cの洗面コーナーでマイドライヤーで髪をセットしていた青年だ。おのれ、負けてなるものか。結構歩いているようだが、半袖男はお腹の傷が気になるのか、猫背ぎみに歩いている。私はなるべく普通に背を伸ばしてみる。Y野さんが気にしているのは、整形の入院患者らしい「Yシャツ男」。歩行器を使って3Aのあたりまでウロウロしているのだが、なぜか上は普通のYシャツ、下はジャージ。「なぜ?」「急な入院で着替えが間に合わなかったとか?」「でも下はジャージなんだよ」。半袖男に負けないように歩くか、エレベータ前の椅子に座って「関所ばばあ」になる。I田先生を捜している看護婦さん(なぜかI先生はいつも捜されていて館内放送でもしょっちゅう呼び出されている)に「さっきあちらに歩いて行かれました」などと「情報提供」、関所ばばあとしての責務を全うする(誰にも頼まれていないが)。
 夕方、Y岡さんがやってきてびっくり。赤いコートがお似合いで、すっごく元気そう。聞けば今日から仕事に復帰したそうだ。と、いっても今日はW市の美容院まで自転車で行って来たという。え?私でさえせいぜい隣のA市まで行く程度なのに、これで「調子が悪い」なんてオドロキ。なんでも調子のいいときは住んでいるところからW市まで自転車で行っちゃうそうだ。駅で言えば5つ!なんとパワフルな人なんだ!半袖男とバトルをしているというと「がんばれ、負けるな〜」とエールをもらう。
 夕回診で、明日から3分粥に「昇格」すること、同時に抗ガン剤を再び飲むように指示される。点滴、畜尿も今日まで。

●ライバルとバトル

12/9 朝、朝食にでたヨーグルトを食べていると、M尾先生がのぞいてきた。「それだけおいしそうに食べてれば大丈夫そうですね」(誉め言葉?)ついでに抗ガン剤はいつまで飲むのか聞いてみた。ショックなことに「半永久的」なのだそう。う〜〜〜。「まだ若いから先があるので、予防的に飲むと思ってください」う〜〜〜。う〜〜〜。それでもくらーーーーーくなった表情を読みとられたのか「それほど副作用もないでしょ?」「ええ、まあ、最初のころに比べたら」「この病棟でも1、2を争うぐらい若いんですから、ね!」と励まされる。うーん、「若い」ということでいい気にさせようとしておるな?でもなんだか生きていく上で一つ「十字架」を背負ったような気分。もう一つ「イレウスの恐怖」も抱えなきゃならないし・・・。なんだかんだいっても少なくても5年はガン患者なんだよな、私。 
 ところで、大腸の検査をする向かいの人に看護婦さんが朝の下剤を持ってくると、「もう私、受けない。家に帰りたいの」と断固拒否。あまりの下剤の苦しさに音を上げたようだ。M尾先生のやさしい説得にも耳を貸さず「院長によく頼んでおいて」という。
 回診でバトルか?と思いきや・・・末広亭「そういいつつ、こうして検査すると年間20例ぐらいはガンが見つかるんだ。検査をさぼってガンを進行させてしまった例が向かいにいるぞ(→つまり私!)」とさんざん脅す。それでも荷物をまとめ、看護婦さんに「精算して」と頑固に拒否。どうなるんだろう、とヒヤヒヤしたけど、回診後、ロビーで末広亭に懇々と説得される。実に30分後、ダンナと共に部屋に戻ってきた。「なんだか恥ずかしいわ〜」。
 もうガーゼもなく、回診でお腹を見せることもないので、脱・入院患者をめざし?上はタートルネックの普通のセーターにしてみる。するといつもの掃除のおばちゃんから「今日退院なの?」と聞かれる。もう今すぐにも退院できそう、と同室の人にも言われる。他のヘルパーさんも「入院患者に見えないね〜」。下はマドリーのパジャマなのだけど、上を替えただけでこんなにも効果があるんだなあ。
 点滴がなくなり身軽になったので、Y野さんと階段を上り下りする散歩。3Bの階段から一階に下りたときだった。車いすに乗った男性がイタリア代表のユニを着ているのを発見。ちょうどエレベーターに乗り込むところで後ろ姿が見えた。なんと「マルディーニ」の名前入りだった。シブイ!渋すぎる!そして私のライバル心に火がついた
 半袖男の身元判明。隣の隣、307に入っているO田という人。しかし奴も今日から点滴がなくなったようだ。それで油断したのか、明らかに昨日に比べ散歩する時間が減っている。奴め、油断しておるな。ここでベテラン入院患者としては差を付けるべく、3A→3Bと3階の病棟中をぐ〜るぐる。対決は一方的勝利に終わった。Y野さんによると、半袖男は15日退院と小耳にはさんだとか。午後、忙しい仕事の合間をぬってnaoさんがやってくる。ロビーで話していると、「お見舞いの家族と紛れてわからなかった」と言われる。
 夜、恐る恐る腹帯を取ってみる。まじまじと傷口を見たのははじめて。キズは縦に10センチほど。ホチキスの跡が5つぐらいついていて、一番下は「おへそ?」と思うぐらい、かなり食い込んで縫いつけてある。フランジにそって皮膚が色素沈着して黒ずんでいる。しかし、なんといっても前の手術跡のキズの方がその規模から言ってすごい!こちらには久しぶりにキルケ特製オイルを塗り塗り。少し傷口があたる感じはするけど、腹帯をしているといつまでも病人っぽいので、取ってやる〜
 ヤマクミに半袖男について話す。「奴は油断して今日は全然歩いていなかったから、また点滴に逆戻りするかも」(後日、とんでもない結末に)
 キルケさんにユニを頼んだが、風邪気味と言うことで明日以降に延期。

12/10 昨日の大腸の内視鏡検査で何もなかった、と聞いたお向かいさん。今日は胆嚢を内視鏡で取る手術を受けるそうだ。それでもいろんな人に「受けておいてよかった」と言っている。めでたし、めでたし。
 「どう?」と顔を出したM尾先生。「院長は慎重にここでいた方がいいのか、早く退院させたいのか、どっちかわからないでしょ?」「はい」「気にせず自分がいいと思ったときでいいですからね」半袖男とのバトルと、昨日マルディーニユニを見つけたので、いよいよ私も家からラウールユニをクラブのだけではなく、代表のも持ってきてもらうことにした、と話す。「マルディーニかあ。Iさんて、すごい負けずぎらいなんですね・・」うにゃ、そうではなく、単に暇な入院生活を少しでも楽しむためのネタなのだ。
 その後、回診の時、末広亭に「あとはおまえ次第だ」と、右手を挙げなんだか変なジェスチャーをされる。「?なんですか、それ」「虫かご。こうやって開けておくからな、あとは飛んで出ていくのを待つだけだ」(あたしゃ虫かい?)「できれば今週中はいたいんですけど」「よし、来週月曜日退院にするか。イブのディナー、予約しておけよ」。
 M岡先生が机の花を見て、いきなり「ドライフラワーとかにはしないの?」「ドライフラワーって風水ではよくないらしいですよ。結構前は造っていたんですけど、全部捨てちゃいました」「え〜ほんとなの?ショック〜!じゃあ思い出の花なんかも?」「そう全部だめ。とにかく死を意味しているからダメらしいですよ」「・・・わかりました。じゃあ私も捨てます」。さては思い出の花をドライフラワーにしているんだな。
 Y野さんと昨日マルディーニ男を目撃した場所で現場検証。たぶん2Bの整形外科の入院患者、と推測し、2B病棟をぐるぐる回り、それらしき人を捜す。唯一の手がかりは脚を骨折していた風だったこと。307にアヤシイ若者がいたが、確認できず。元気を出すためにユニが待たれる。
 夕回診でM尾先生に「ユニフォームはまだ?」と聞かれる。話題は今日の日韓戦のことに。この前の香港戦はほんとに情けなかったと嘆く。お互い小笠原が好きということが判明。「今日はやってくれると思いますよ、やってくれなきゃ困る」と先生。
 夜、ユニ届く・・・・じゃなく、正確には風邪気味のキルケさんがわざわざ私の自宅まで行ってユニを届けてくれる。「わがまま言ってすみません」「こういうわがままも最後だと思うから」ついでにマドリーマフラーも入荷。
 ところで日韓戦での日本代表、点を入れられずイライラストレス貯まりまくり。もおお。ところでダラダラ生理の出血が続いていてなかなか終わらない・・・と思ったら、またもやどっとカタマリがでてきていや〜な気分に。夜勤の看護婦さんに伝えると「手術のショックでホルモンバランスが崩れているから」と言われる。

12/11 「せんせー!ようやくユニ届きました」「あっ!ほんとだ。代表ユニもありますね。じゃあ、散歩がんばってください」。さっそく代表ユニを着てみる。えっへん。今までより1.5倍ぐらい体が軽くなった感じ。Y野さんと2Bに挑発に出かける。207の前を2度ほどまわるものの、アヤシイ男の反応イマイチ。見当違いか?ヤマクミはユニを見て「パウル?」なんじゃ、パウルって。「ラウール!!」
 一方半袖男は散歩してもせいぜい1周止まりであきらかにペースダウン。私の方がダントツで歩いている。ところが私たちの絶好の「関所ばばあ」席に座り、「関所じじい」になっているので、休む場所がなくなってしまった。最近、半袖男の方も私を意識しているのか、目と目が合うことが多くなった。別に男として気にしているわけではないから、誤解しないように!!一人で散歩していると、Y野さんが気にしていたYシャツ男発見。今度は青いジャージの上下を着ていたがシャンプーをしたのか髪がベタベタに濡れていてまた違うインパクトがあった。昼過ぎY野さん退院。いよいよ寂しくなってしまう。これからたった一人でバトルだ。
 散歩から戻ると隣の人が内科の病棟に引っ越して、新しい人が入っていた。やっぱり夜熱が下がらず、なかなか手術できないらしい。これまでは個室に入っていたとか。そういえば3Aは前に比べて4人部屋ということもありベッド数が少ない。だから他の病棟に移したり、一時的に個室に入れて対応しているようだ。もちろんその場合差額ベッド代はかからない。きっとやりくりに苦労しているんだろうな。
 ヤマクミから不正出血のことを伝えてもらい、M岡先生と相談して婦人科を診察することにする。「この歳なら一度受けておいた方がいいですからね」そう、むしろ私の歳なら婦人科系のガンの適齢期になるころ。夕方になって婦人科から呼ばれる。ヤマクミに「このユニ着て婦人科に行ったら変な奴って思われるかな?」と聞くと、ぜひ行って、と励まされる。婦人科にサッカーのユニで行く患者はそうそういないはず。スペイン代表、がんばりまっす!痛い検査もラウールユニなら耐えられそう?
 Y野さんやT田さん、Kさんといった婦人科の患者さんから噂には聞いていたけど、どんどん新しくなるこの病院において、婦人科だけは一番端っこの、薄暗く古〜い内装のまま。椅子の横に観葉植物が目隠しのように置いてあるのでよけい「後ろめたさ」が漂う。問診票(妊娠経験の有無など)を書き、提出。少しして呼ばれる。中は意外と新しく明るい。女医の先生に外科で2度の手術を受けたこと、それから不正出血があることなどを話し、いよいよ内診。下着を脱いでこれも噂に名高いレトロな内診台に乗る。カーテンが引かれて先生の顔は見えないようになっている。膣から器具が入れられ(つめたーい感触がなんともいえましぇん)、「ちょっと奥に茶色くなったおりものが見られますが、とくに異状はないようですね。じゃあ、続けて子宮頸ガンと体ガンを調べます」きたーーーー!。「力抜いて、深呼吸して!」いっ・・・てええええええええええ!!「もう少し全体に下がってもらえます?こっちに体をずらして。力は抜いて!」うううう。十分痛いのでもう体ガンを調べたのかと思いきや「これから体ガンの検査です」。ま、まだなのかあ。続いて体ガンの方は体の中心が掃除機で吸い取られるような、なんともいえない痛み!!!子ども産んでいないので、子宮口が狭くよけい痛いのだと親友のH夫人が言っていたっけ。彼女は結局検査ができなかった、と言っていたっけ。だけどこれまで死ぬかと思ったストマの抜糸などをくぐりぬけてきたので、これくらい耐えられる、とも思う。それにあの水攻めの内視鏡検査やストマからのバリウム注腸検査とどっちがつらい、っていったら痛みではこっちだけど、あっちの方がつらい時間が長いもんね。
 ようやく検査が終わり、出血するのでしばらくは安静にしているように、といったようなことが書かれた注意書きをもらう。結果は一週間後に出るそうだが、見た限りではとくに問題はなく、やはり手術によるホルモンバランスの崩れ、といったことだったようだ。だけど心配するより思い切って受けてよかった。なかなか普通のときにはこんな検査、受けたいとは思わないもんね。出血するので、とナプキンをもらう。部屋に戻って少し横になる。
 夕方から出勤してきたWさん、代表ユニを着た私を見つけるなり手を叩いて喜んでくれた。「すごいかわいい〜!いーな、私も欲しい!」「これね、一応スペインのデパートで買ったの。少し安かった」Wさんにこれだけ喜んでもらえれば本望。

●またまた・・・暗転

12/12 昨日一日ベン通がなかった。そのおかげで痛みはないものの、やや不安(代わりに出血はあるので、結局ウォシュレットはフル活用)。M尾先生もちょっと心配そう。回診でM岡先生に昨日の婦人科検診のことなどを報告していると、末広亭が「おう、なんの話だ?」「昨日婦人科の検診を受けたんです」「そうか、そういや、レディーだったよな」そういや、ってなんじゃ。ついでに「サッカーよりラグビーの方がいいぞ」と言ってきた。「サッカーの代表なら勝つこともあるが、ラグビーの日本代表はあと10年は勝てない。応援しがいがあるってもんだ」
 朝食の牛乳をまたもや無理矢理飲んでそれが効いたのか、回診の直後、ベン意が。トイレに向かっているときM尾先生がいたので「牛乳が効いたみたいです」「それはよかった」。硬めのベンがほんの少しだけ出た。
 やっぱり解決方法は腸を動かすこと、すなわち歩くこと。今日はCLユニでお散歩する。ヘルパーさんが、「その7番さんって彼氏?」と聞くので「そうだ」というと「あら、ごちそうさま」。別のヘルパーさんに「それは誰?」と聞かれるので「ラウール」と答える。「私はベッカムとロナウド、カーンしか知らない」と言われる。共通するのはW杯で日本に来ていた人ばかり。ラウールも韓国で散らなければもっと注目されたのに。
 今日は金曜日なので、入浴日になる。状況から言ってシャワーOKになるかも、と予想していたら案の定、「シャワーの許可が出ているけど、浴びる?」浴びる、浴びる。はっきり言って体が乾燥+アカでかゆくなっていて、夜中にかきむしったりしているのだ。ガーゼをはっていたテープの跡も赤くかぶれている(意外と私はかぶれ体質だったみたい)。シャワー室はコンパクトなつくりだけど清潔だし、なにより狭い分、寒くないのがいい。まじまじと今回の手術跡を確認するとやっぱり色がついている。しかーし!色がついたところを石けんで少しこするとアカが落ちてきて少しきれいになった気がする。体もごしごしタオルで洗うとアカがボロボロ出てくる。これで家に帰って浴槽に浸かればもう少しきれいになるんじゃないかな。もちろんシャンプーもしてさっぱり。
 病室に戻って髪を乾かしたかったのでヘルパーさんに言うと、今ちょうどシャンプーしている人がいて使われているので、10分ぐらい待って、と言われる。しかたがないのでタオルドライ。10分どころか20分経ってもドライヤーがこないので、もう一度ヘルパーさんに頼む。どこからか、いつもとは別のくるくるドライヤーを借りてきてくれたけどほとんど乾いていた。後にrieさんがやってくる。今回叔母が帰った後は彼女が洗濯をしてくれた。もうその必要もないはず、と洗濯物も残すことに。
 だんだん下痢になり、すでに10回以上トイレに行っている。その間散歩は続けていたけど、夕方には寒気もしてきてなにやら発熱の予感。夕食もあまり食べられず。7.5度になった時点で氷枕を頼んだ。下痢と熱は関係あるのだろうか?お腹の問題と言うより、風邪のような感じ。下痢が続いたり熱も出たりでトイレの洗面所で鏡をみるとオソロシイほどげっそりとしてクマもくっきり。いかん、これじゃ思い切り病人だ。
 解熱のために痛い筋肉注射をしてもらったけどそれほど熱は下がらず、下痢も止まらずとほほ。看護婦さんにおむつにする?と聞かれたけど断る。しかし何度かひどい下痢をしたのでついにおむつを頼む。その後「下痢がひどければポータブル使う?」とも聞かれたけどトイレに近いしさすがに間に合うので、と断る。が、不幸にもあまりの激しいベン意に間に合わず。トイレからナースコールをしておむつの替えを頼む。次に下痢したときは状態を確認するため、流さず、看護婦を呼ぶように言われる。「パッドは使う?」と聞かれたけど、そこまではいいだろうと断る。しかーし!再びおむつに粗相してしまい、再びトイレからナースコールしておむつの替えとパッドを要求。世話の焼ける患者ですんましぇん。
 こんな感じで夜中に何度も起きてトイレに向かう。下痢だとあの肛門痛はないものの、やっぱりつらい。しかも熱もある。フラフラになって何度目かのトイレに起きたとき、ちょっといやな感じがあった。で、トイレに座ろうと思った瞬間、吐いた。ちょうど近くでS井さんが作業をしていて、大丈夫?とノックしてくれた。なんとかカギをあけると「あっ、Iさんだったの?」。吐いたものは周りに飛び散ったし、手で押さえたので顔にも服にもつきみじめな気分。もってきてもらったタオルで拭き、冷たいコップでうがいをする。ベッドにものうぼんが置かれた。汚してしまったパジャマを着替える。医師に連絡を取り指示を受けるという。結局「禁飲食」の札がかかり、点滴開始。熱もあるので、もうろうとしたたま眠る。下痢はショックからか、どこかに行ってしまった。

12/13 当然最悪の気分で目覚める。朝、検査のために血液がとられ、レントゲンを撮る。ベンの検査も。
 M尾先生が現れてお腹をぽんぽん。次にやってきたM岡先生もお腹をぽんぽん。詰まったんではなさそうとのこと。朝の回診時にはF田先生にもお腹をぽんぽん。自分でも詰まったんじゃなくて風邪かなんかだと思うが、外科医はやっぱり「吐く」というとイレウスを疑うんだなあ。F田先生によるとレントゲンでは詰まっていなかったとか。急性腸炎で原因はウイルスが有力らしい・・・。昨日のシャワー→長時間の髪が乾かせず、が原因だったりして。ただ念のため、CTも撮るという。それまで禁飲食だって。ヤマクミに点滴に戻ったのは半袖男でなく自分であったことを嘆く。「今日はとにかくおとなしく寝ていてくださいね」。叔母に電話し、退院は延びそうなので、まだ出てこないでいいことを伝える。昼近くになってようやくCT検査を終え、水分が許可になった。すっごい大きくて飲みにくい抗生物質の錠剤を飲んだ。午後の検温では8.5度。解熱剤を点滴で流してもらう。
 2時頃、休みのはずの末広亭が顔を出した。そうだ、今日は落語の会だった。「ゲロ吐いたんだって?」と、相変わらずデリカシーのないお言葉。「おかしいな。退院病でもないだろ。まあ、落語でも聞いて気分を変えてな」おいおい、8.5度あって、点滴打ちながら落語聞くってか?
 「大丈夫ですか?」と現れたのはNちゃん。携帯でアップしていた日記サイトで私の災難を知ったそうだ。今日は色校前の時間、寄ってくれたという。解熱剤の点滴が効いてかなり楽になったこともあり、いつものようにサッカー話で大盛り上がり。そこへ、Wさんがやってきた。「また点滴なの〜?かわいそう」(いつもWさんにはかわいそう、と言われている気がする)。サッカー話に巻き込む。ちょっとお、あの日韓戦はひどかった、なんていう話題。Wさんは院長命令で落語の会にいくかどうかを一人ずつ聞いているのだった。「熱があるんじゃ、行けないですよね?」そんなに参加者がいないのか?Nちゃんは「同じ飲み物ばかりじゃあきると思って」と、「黒豆茶」に「発酵ウコン茶」など、めちゃめちゃレアな飲み物を持ってきてくれた。それにうれしい「ユーロ特集」のサッカー雑誌。頭の中でスケジュールを立てたりして。この立ち直りの早さはなんなんだ?
 続いて、rieさんが心配してきてくれた。昨日からPCが故障で使えずなんとなく胸騒ぎがしていたそうだ。とりあえず落ち着いていたのでほっとしてくれた。お言葉に甘えて汚してしまったパジャマや下着の洗濯をお願いする。
 夕回診では「イレウスじゃなくてよかったですね」と言われる。よかったんだかな?ただ退院は「うーん、月曜日は少し厳しいですね」。やっぱりね。熱は下がったけど下痢は続く。
12/14 3回目の恒例体重測定。いつも週末大変な事態になるので、この日も測ったら9月の手術前から10キロ減(元々が多すぎた、という噂も)、先週から2キロ減。ついでに血圧まで低くなっていた。で、力がでない。なんとペットボトルのフタが開けられないんである。
 朝、M尾先生とトヨタカップの話(すっかりいつもの脳天気な患者)。去年は燃えていたけど、まさか1年後こうなるとは。Wさんも10時まで働いてまた夜10時30分から出勤だけどトヨタカップは見る、と張り切っている。「だけど寝る時間がなくなっちゃうのよね」ほんと、大変な仕事だなあ。昨日Nちゃんがイチゴも持ってきてくれたのだけど、まだ禁飲食なので食べられない。このまま傷んでしまうのももったいないので、Wさんにもらってもらうことに。
 日曜日の回診は10時ごろからと遅い。その回診で「食べたいですか?」というF田先生の言葉で昼から晴れて5分粥が出ることになった。Wさん「よかったね、イチゴ食べられるよ〜」。
 さてお向かいのお二人は歳も近く散歩友だちになったよう。ただちょっとよくわからない会話も。この日も「今日は土曜日だっけ?日曜だっけ」と二人で言っていたので思わず「日曜日です」と教えてあげる。さらにちょっとロボット的な話し方?をするF田先生を「あの先生は中国人だね。話し方でわかる」「ああ、そうだね、言われてみれば」などと言っている。絶対違うってば。ちゅーごくじん、あんなしゃべり方じゃないもん。
 熱も6.8度に下がった。晴れているので散歩のついでに屋上などにも出る。1日であきれるほど回復した。
 夜は肉じゃが味の「麻婆豆腐」。以前の私なら「これは麻婆豆腐ではないっ!」と叫んでいたであろうが、優しい味にホッとする。
 トヨタカップ、いつの間にかボカを応援していた。こっちのハングリー精神&サポーターの熱い応援が効いた。しかし結局PK戦だなんてねえ。マルディーニもがんばっていたんだけど・・・。

●ラウール知名度アップ大作戦

12/15 夜中、サッカー仲間のせれささんからメール。デポル戦でラウールが貴重な勝ち越しゴールをあげたとのこと。やった〜!!私は携帯サイトでチェックしていたけど、そこまで速報性があるわけでもないのでこの第一報はうれしかった。
 M尾先生にラウール勝ち越しゴールの報告をする。ところで昨日のトヨタカップは・・・シェフチェンコファンの先生、「今日、ボクはテンションあがりません」とか。末広亭に怒られないでね。wさん「昨日の試合つまんなかった〜」と一言。PK戦までもつれたので遅刻ギリギリになったとか。しかし私はラウールゴールでハッピー。
 回診で「2、3日は様子を見て」ということになった。M岡先生がカルテ欄の体重を見てしくしく泣くマネをする。「また減っちゃったね。ごめんなさい。金曜日、食事を止めたのは私なの」「だけど、やせたおかげで前に作って着られなくなっていたチャイナドレス、着られるようになったんですよお」。ああ、脳天気、ここに極まれり。食事は一気に全ガユ(軟食)に昇格。今回の入院でははじめての「ステージ」だ。ただし、量が多いので主食は半分にしてもらう。
 キルケさんが家からストマ用品と退院時に着る服を、Rieさんが洗濯物を届けてくれた。元気になった(なりすぎた)私を見て喜んでくれた。お隣の方はなんとイレウスでストマを造ることになったという(なんだかシビアな状況で他人事とは思えない)。いろいろ心配そうだったので、昨日ちょっと先輩風をふかせてストマについてレクチャーしたのだ。ついでに家に余っていたストマ用品の残りをあげることにした。とっても恐縮されたけど、どうせ捨てようと思ったし、他に使い道もないし、だいたいちょっと縁起も悪いのでもらってもらった。喜ばれるなら本望。とくに「ガスクリン」様は使える、と力説。「本当にいやよね〜」。「あれはなった人でないと気持ちはわからないと思います。一時的、とはいえ憂鬱でしたから。でも慣れれば快適になると思いますよ」
 午後、YOUKOさんが来てくれた。脳外科に通っているご主人とともに外来にきたのだという。待ち時間を利用して1階の外来の椅子のところでかなり長ーいおしゃべり。話し相手がいなかったのですっきりした。
 そこへちょうど「退院時の院長のお言葉」を聞いた半袖男が帰るところにでくわした。半袖男、退院は遅れをとったけど、負けたわけじゃないからな〜!お互いイレウスには気をつけようぜ(なぜか挑発的な言葉)。
 下痢が収まると例によってベン通のときの痛みがやってくる。やれやれ。斜め前のO田さんは手術後ずっとベン通がなく、先生たちもやきもきしている。かなり散歩もしているのに、大変だ。この日はバリウム検査を受けたようだったが、バリウムが排出できず苦しんでいた。前にY野さんがやったような、ペパーミントのタオルが貸されたのだが・・・「だめだ〜、こーんなハッカくさいの、とてもだめだ〜(茨城弁で)」と、すぐ看護婦さんに返却。もったいない。ここではエッセンシャルオイルは売れなさそうだなあ。
 婦人科の検査以来、ちょっと出血が続いているので、キルケさんに何枚かナプキンを持ってきてもらったのだけど、不正出血というより本格的に生理が始まった感じ。25日目かあ。
 夕食も終わり、7時すぎでも回診がないので、今日はないんだ、とパジャマに着替え(昼間は例のユニを着ているので)すっかりくつろいでたころ、どかどかと手術着のままの先生たちがやってきた。M尾先生が机の上の「ウコン茶」「黒豆茶」に注目する。「すごいお茶ですね」「もう普通のお茶に飽きちゃって、友だちが持ってきたんですけど」「黒豆茶って、ふじっこだ〜」末広亭はいないからか、みんなリラックスした笑顔。そこへあのボーイッシュな研修医が「黒豆ってのどにいいんですよ。うちのおばあちゃんが言っていた」「のどがちょっと痛いので」「あ、じゃあいいですよ。おばあちゃんがいつも煎じて作っていました」。
 F田先生が「ところでラウールのユニフォームは何枚持っているんですか?」と真剣な顔で聞いてきた。「本当は3枚持っているんですけど、こっちに持ってきたのは2枚です」M尾先生が「代表と、クラブの2着ですよね」と補足。「詳しいですね」とF田先生感心する。「もう1枚はアウェー用ですか」「いいえ!こっちはCL用で、もう一枚はリーガモデル」「あっ、なるほどね」と笑われる。その会話を聞いていた女性陣、声を揃えて「わからん!」。ついでに食事は普通食でなく、全ガユにしておいてほしいとお願いする。(ここのゴハンは正直、硬くておいしくなかった)
 夜の部屋担当はほんわかしゃべりの妊婦さん。ここの病棟は妊娠中の看護婦さんが確認しただけで4人いる。この人もかなり大きなお腹をかかえながら、ギリギリ12月一杯までまで働くのだそう。

12/16 火曜日は朝6時から「スペイン語会話」の放送があるので、テキストをみてイヤホンをしながら小声で発音練習などをする。結局スペイン語の授業もラスト3回休んじゃったもんね。今月はたまたま「単語コーナー」が医療や各器官、病気に関する単語。外科医はcirujano。直腸ガンはcancer de recto。
 回診の前の時間、清拭のタオルで上半身を拭いているとき、バレー部が「もう消毒なかったっけ?」と言ってカーテンを開けてきた。「あ、ごめん!セクシーショットみちゃった」。
 「おう!」回診でいつもの挨拶のあと、机に置いてあったテキストを見ていきなり、「ウノ!」ほとんど反射的に「ドス、トレス」と応じる。うなずく末広亭。続いて「■×○★、△●◎、♪○◆▽、これはわかるか」「わかりません」「インドネシア語で同じことを言ってみた。ふっ、ふっ、ふっ」なんでインドネシア語?若い「Los quatro cirujanos」は無表情で聞いている。ところで退院は「相撲の立ち会いと同じでいつ立ってもいい」とか。「こっちがいいと思っても、そっちが立てないとだめだし、呼吸を合わせるのが難しいんだ。とにかくいつでも帰っていいぞ」虫かごの次は相撲か。ふーむ。しかしこれは叔母さんとも相談しないと。電話して水曜日に来てもらうことにして、木曜日に退院、という希望を出すことにした。木曜日なら水曜夜の「キャンドルサービス」も見られるし、子宮ガンの検査結果も出るだろうからついでに聞いていける。なんだかますます空きベッドがなくて苦労しているようで、少し申し訳ないが。
 隣の人は今日手術になった。1時間ほどで手術は終わり、夕方には早くも部屋に帰ってきていた。
 今日は代表ユニで歩く。「それってベッドに飾ってあった人?」また別のヘルパーさんに聞かれた。「そうです、ラウールっていうの!」「あら、ハンサムな人よね!」これで少なくても3Aではラウールの顔と名前を印象づけられたかな?隣の3Bも結構回っていたからそれなりに知名度アップしたに違いない。世の中の人よ、サッカー選手といえばベッカムだけじゃないんだ!
 今日もまた7時30分すぎても回診がなくパジャマに着替えた頃、Los cirujanosがやってきた。F田先生に木曜日退院のOKをもらう。あと2晩だ!

●キャンドルサービス

12/17 水曜日は朝、会議がある。だから朝の回診は少し遅め&昼はうどん(麺)なので、朝はパンではなく、和食になる。そんな病院のルールにも詳しくなってしまった私。
 朝の回診でM尾先生によかったですね、と声をかけてもらったけど、カルテを見るなり(前日の尿と便の回数、体温、血圧などが記入されている)「え?昨日お通じがなかったんですか?」。ちゃんと見ているんだ!と感心しながら「だけど、今朝ありましたので」(しかも今までより少し大きめのがでました、とまでは恥ずかしくて言えず)「じゃあ安心していいですね」どうぞ、してください。もう心配はかけないようにします!
 向かいの人退院。退院処方というのがあるのだけど、向かいの人はお医者さんや薬剤師がわからないのか、そのクスリを持って説明にやってきた薬剤師に病気のことをいろいろ質問している。朝、退院についての段取りを説明され、おまけに紙まで渡されたのに、「入院費ってどこで払うの?」というのも聞いている。私はこういう「自分で解決しようとしない人」を見ると無性にイライラしてしまい、精神衛生上よくないので歩く。ベンも快調に出る・・・というより1回あたりの量が少なく、すぐ行きたくなるので、その煩わしさを感じないためにも歩く。ラウールの知名度アップのためにも歩く。ハリポタも読み終え(退院に合わせて調整しながら読んだ)いちだんとヒマになったので、とにかく歩く。
 ヤマクミによるとすでに検査結果は出ているそうで、婦人科の診察の予約をいれてもらった。昼すぎ婦人科に呼ばれる。今日は白い方のユニで来てみました・・・誰も気にしていないようだけど。検査の結果、異常なし。「子宮も卵巣も正常です」の言葉にほっとしたあ。やはり手術のストレスによる出血だろう、とのこと。「(直腸と)場所も近いですから、今後は1年に1度は検査をしたほうがいいですね」はっ!肝に銘じておきます。
 1時すぎ、思ったよりずっと早く叔母がやってきた。聞けばうちの畑から野菜や米などどっさり持ってきたらしい。駅のロッカーが一杯で立ち寄った中華料理店に預けてきたとのこと(家のカギを私に返していたので病院にくるしかなかった)。2度も退院延期になったので心配していたようだったけど、まったく病人っぽくないのを見て安心したらしい(たいていこのパターンだ)。
 叔母を玄関まで送って戻ると、近くの個室に入っている緑パジャマのおじさんが廊下でNさん相手に怒鳴り散らしている。「ナースコール押して5分もこないなんて、どういうことだ!!」とってもしっつこい。パワーあるぞ、十分。
 勤務が終わったヤマクミが明日休みなので今日のうちに、と顔を出してくれた。ちょっとここでは書けないけど、彼女とはいろいろ話をした。それと好評だったアロマオイルをキルケさんから仕入れたので、何本か「みんなで使って」と預ける。とにかくがんばれ、ヤマクミ!
 キャンドルサービスがあるためか、夕回診はなし。7時、病棟のベッドが消され(となりのおばさん点滴中なので不安がっていた)BGMが流れる。やがてキャンドルを手にした看護婦さんたち、スタッフの人たちがたくさん病室にやってきた。なかなか幻想的である。そこへサンタ登場。みんなに聞かれたのは、サンタって院長がやるの?という質問だったけど、事務の男性のようだった。サンタさんが一人ひとりのベッドに来て、プレゼントを渡してくれた。インスタントカメラで記念撮影まで。私はデジカメでもヤマクミに撮ってもらった。
 ラッピングは違ってもプレゼントの中味は同じようで、フリースのひざかけだった。なかなか気が利いた実用的なものだったので感心する。年に一度とはいえ、こんなものを入院患者全員に配るんだ〜。退院が延びてヨカッタ?かな。ついていたカードを見ると、「一日も早く素敵な笑顔が見れますように」。いきなり「ら」抜き言葉に赤入れをしたくなる。隣のおばさんは、「こんな鼻に管入れている写真撮られてもうれしくないわよ」それもそうかも。
 さて、最後1日のベンは16回。これは下痢ではなく、少しずつしか出ないからで、今の私としては普通の状況。少しずつよくなる、と信じよう。

●おうちで「ババンバ、バンバンバー」♪

12/18 最後の朝食を食べ終わった頃、M尾先生が顔を出してくれた。「気をつけて帰ってください。何か気になることがあったらいつでも、電話でもかまいませんから聞いてくださいね。お腹はしっかりつながっていますからね!」。今回はとくに心のケア面でお世話になった気がする。末広亭の元で大変だろうけど、いい先生になってほしいな(もうなっているけど、さらに)。
 前のようなちょっとうるうるしてしまう感慨はないけど、やっぱり「退院、おめでとう」と言われるとうれしい。末広亭にはしつこく「イブのディナー」について言われる。
 退院の手続きをあれこれすませ、最後に院長の「訓辞」を聞くのがならわしだけど、叔母の前なので(つまりキルケさんがいないので)少し末広亭もセーブ気味か。
「これで神様が思いがけず長い寿命を与えてくれるかもしれない。すべては自然のなりゆきだ。とにかく明るく過ごせ」という正式なはなむけの言葉?のあと、叔母に「おまえの畑は大丈夫か」と話を振る。あとで叔母が「なんでうちに畑があるのを知ってみえるんやろ、とびっくりした」と話したので笑った。最後、診察室をでようとするとわざわざ呼び止めて、仕事で忙しく簡単には来られないこともあるだろうから緊急連絡用にと名刺をもらった。メルアド入りだが「返事はかけないかもしれない」だって。どんな意味があるんじゃ、と一瞬思ったけど気持ちはありがたい。
 とにかく家に帰ると、噂通り本当にきれいな部屋になっていた。で、一番したかったのが「長風呂」。何せ梅がいたときは10分以上浸かるのは考えられなかった。近くの公園を叔母と一周して(散歩は大事だよ〜)、そのあとゆっくり湯船に浸かる。すると、でるわ、でるわ、体中からアカが笑えるほど出てくる。入院中の3週間、というより3カ月間のアカ。つまりそれなりにつらかった時期のアカ。それが落ちていくのがなんとも快感だった。

日付はすべて2003年のものです

→退院後

←INDEXへ戻る   

 

E-mailはこちらです

このページは「蓬莱賓館」という岩姐運営サイトの一部です。直接このページにきた方はこちらから脱出してください。

掲示板あります。