第15日目(2006.7.2)
Frankflt 写真は諸般の事情でありません。。。(泣)

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世界遺産その14:ローマ帝国の国境線

  最終日。せっかくなのでギリギリまで観光!と今日も2手に別れる。
 masumilkさんは革の街の見学&買い物。私は最後の最後まで世界遺産。スタオもお供。
 調べたら、昨年範囲拡大で指定されたばかりの「ローマ帝国の国境線」。その一部がフランクフルト郊外にある。ローマ帝国の国境線というのは、まあ、ヨーロッパ版万里の長城のようなもので、ながーい国境線には要所要所に砦が築かれ、兵が駐屯していた。ここでゲルマン民族との攻防に当たったのだ。砦がほぼ忠実に再現されているというザールブルクの砦が目的地だ。ザールブルクは別のSバーンの郊外の駅、バートにあるらしい。いったん中央駅に戻って荷物を預け、再びSバーンで郊外へ。
 ザールブルクを探すと、バスかタクシーで行くしかないらしい。迷うことなくバスを選択。時刻表によるとちょうど行ったばかりであと30分近く待つらしい。仕方がないのでまず自販機で切符を買い、駅のカフェでブルストを買い、食べることに。ベンチで食べようと思ったのだが、ベンチは太陽さんさん。熱中症で倒れかねない。すると、駅のロータリーの端っこに少し緑が残ったスペースをスタオが発見。「あそこにしよ」。そこは木陰になっていて、確かによさそうだった。缶ビール+ブルストを食べ、草むらに寝ころび、すっかりリラックスモードのスタオ。 そろそろ時間だ。「ね、そろそろ行こうよ。バス来るよ」「まだ大丈夫やって
 すると「ザールブルク」行きのバスがロータリーに入ってきた。「バス来たよ、早く!!」 が、バス停に待っている人が一人もいないことを確認すると(しかも乗客なし)、バスは一度も停車することなく、あっという間に去っていってしまった
 スタオ、すっかりくつろぎモードだったので、ダッシュに出遅れる。
「あー、ちょっと待ってえええええ!!!」と必死に手を振る。冗談じゃない。なんのために30分も待ったのだ。しかし、こちらに気がつくこともなく、立ち去るバス。絵に描いたようなマヌケな光景である。
「ちょっとおお!どうしてくれるの!」
「しょうがないやん!まさかすぐ行ってまうって思わんかったんやもん」
が、次はまた30分後。
 スタオは私の殺気を感じたらしい
「タクシーで行こう、ね!」

 駅前で客待ちして暇そうなタクシーに乗り込む。「ザールブルクまで!」「はあ?」
発音が悪かったのだろうか。saarburg だから、ザールブルクだと思うんだが。
 ノートに綴りを書く。

 なんとか通じたみたい。車はどんどん山の方へ登っていく。途中「○○か?△△か?」と聞かれる。お城、っていえば通じるのかなと思い、「シュロス、シュロス」。通じているかどうか不安になったが、やがて山辺の、ちょっと開けた土地に停車。バス停もある。ここがそうなのか?駐車場があり、人も結構いる。よくむると木々の向こうに砦のようなものが見える。
 振り返ると、ちょうどさっき私たちを置いてけぼりにした バスがバス停に停まっている。
「ほれ、こっちの方が早く着いたや!」とスタオ。
 入口からして古代の雰囲気漂う木組みの砦。長城とまではいかないまでも、土塁が築かれ、階段状に整備されている。当時の様子を再現したジオラマがあったりして、結構堪能あまり外国人はこないのか、展示はドイツ語のみ・・・が。
 スタオくんのカメラを借りて撮影していたのだが・・・データを削除してしまったらしい・・・なので写真はない。
 1時間ほどあたりを散策し(周りは森になっている) 、バスの時間になったので今度はしっかり早めに行ってバスに乗り込む。
 駅へは実は10分ほどで到着。距離は結構あるのだが、ほとんどバス停もないのである。
 再びのんびりSバーンで中央駅へ戻る。
 微妙に集合時間まで時間があり、微妙にお腹が減った、ということで、駅前をぶらつく。そして、例のグリルチキンの店を通りかかり、せっかくなので食べる。恐ろしく愛想のないおばちゃんの応対だが、味はうまい。しかもボリューム満点。

そしてそれぞれの帰路へ・・・が、VIP遭遇?

 スタオ、今日はカールスルーエのお友達の家に「帰る」。時間があるので空港まで送ってくれるという。ICEに乗って、行きとは逆の順序にターミナルを移動し、チェックイン。3時間前だというのに、アイルもウインドウもないというのがショックだった。 masumilkさん、29キロ。軽く20キロ超過だが何も言われず。私、14キロ。この差は何?
 時間があるので、カフェでコーヒー&トイレにでも、と到着ロビー(最初に降り立ったところ)のコーナーを歩いていると・・・トイレは立ち入り禁止のテープが貼られる。隣のカフェもあっという間に「強制クローズ」。しかも係員がやってきて、テープより下がれ、という。その停止線がどんどん後退させられ、到着ロビーの出口が大きく開けられた。
 どんな大物がくるんだろう?
 周りのドイツ人が何事か聞いているが、係員も首を振るばかり。
 いつしか「誰かが通るらしい」と噂が流れる。私たちは最前列にいたので、若いドイツ人女性が「誰が来るの?」 と聞いてきた。「わからない」「でも、これじゃあ、きっと有名な人ね」と若い女性うれしそう。スタオ、「そうだ、イングランド代表かも。今日きっとバーデンバーデンの宿舎をひきはらって帰国するはずだから」「でもフランクフルトで乗り換えるの?」「時間的にその可能性はあるよ」そうなったら、すごいかも。
 10分以上経っても誰も通らない。突如警察犬が現れ、誰もいないロビーをカギまわる。いよいよか?
 と、思ったとたん、あれよあれよという間にテープがゆるめられ、警戒態勢が解かれた。 はあん?後で聞いたら乗客から不振な手荷物が見つかったのが原因だったようだ。うーん、てっきり代表通過?と思っただけにがっくり。確かに大げさな警戒ぶりだったけれども。
 入国手続きもストップされていたようで、どっと一気にみんなが手続き開始したために列になった。スタオくんとはここでお別れ。最後まで「1000ユーロの舞」で楽しませてくれた。
 ※あるカード、1000ユーロならどうだ?といわれ(結局売らなかったのだが)、想像しただけで浮かれて踊るスタオだった。以来、WMのテーマにあわせて舞を踊る姿が度々見られた。

最後のフライトでこんなすごい人と!

 さて、帰りのキャセイ。本当に4人がけのミドルで、私の隣にはマレー系?おじさん。masumilkさんの隣には中国系?おばあさん。
「私、この一人旅のおばあさんの面倒見なきゃならないんですかね。参ったな」
masumilkさん、タメイキ。
 斜め後ろのスペイン人おやじの席の具合が悪いらしく、整備の人が来て修理。なので、なかなか定刻になっても動かない。そんなんならビジネスにでもさっさと移動させればいいのに、あくまでも直す気だ。
 私たちはいつでも離陸できるよう、ただ席に座り、待つしかない。見ると、おばあちゃん、大量の荷物を足下に抱えている。さらに魔法瓶も持っている。魔法瓶といえば中国人?
 視線に気がつき、私たちに話しかけてきた。??しかし何語かわからない。広東語でもない。中国の、どこか少数民族の言葉か?
 しかしおばあちゃんは、トーク炸裂。私もいいかげんに相づちを打つ。袋から取り出してきたのは、お経の本。それに大きな目覚まし時計。ジェスチャーからいって、お祈りの時間が分かるように、めざましをもってきたらしい。指で「4」と向ける。
「わかった、4時にお経をあげなきゃならないから、これで起きるんだ」
 老眼鏡で目がとても大きく見える。笑った顔がかわいい。しかし、言葉もできず、よく一人旅をするなあ、と感心。
 最初の意思疎通に成功して?気をよくしたのか、トーク継続。今度はお祈り用の数珠を見せてくる。何か説明しているんだけど、まったく分からず。
「なんか、おばあちゃん、岩茶さんは言葉がわかると思っているみたいですよ?」
 ど、どうしよう。
 なぜか、日めくりカレンダーまで持ってきている。なぜだ?
 離陸のサインがでたので、シートベルトをしてあげる。スッチーの言う英語はまったくわからないらしい。スッチーは足下のカバンを上に上げましょうか、といっているが、聞き入れず。足下に置いておきたいらしい。なんていっても魔法のカバンだから。
 今度は航空券を出してきた。ホーチミン行きだ。と、いうことは、ベトナム人?
 「おばあちゃん、これ大切だから、ここにしまっておこうね」masumilkさん、介護役。「私、実家におばあちゃんいるから、慣れているんです」偉いぞ。
 しかも今度は、パスポート。おばあちゃん、スイスのパスポートを持っている。ビザも見せてくれる。バーゼル(スタオくんが大好きな)在住と言うことが分かる。そういえばスイスには結構ベトナム移民がいるって聞いたことがある。かつての難民、ベトナムへは里帰りなのだろうか。でもバーゼルに住んでいる、ってことは少しはドイツ語がわかるのかも。
 ビザ欄を指さして「ナーメ?」というと、うなづく。
 Gwan・・・と名前が入力されていたので、ローマ字読み+ピンインで読んでみると、発音が違うと、指導される。日本語にはない撥音なので、難しい。とにかく『おばあちゃん』とする。
「はい、大事だから、しまおうね」
  でも、何かをしまった代わりに新たにひとつ取り出すおばあちゃん。
 巨大な安全ピンで留められているポケットから、耳栓を1つ取り出してきた。ジェスチャーで飛行機はうるさいから、といっているようだ。でも、1つしかない耳栓を引きちぎろうとしている。さすがにおばあちゃんでは無理なので、masumilkさんが引きちぎる。「これでいいの?」
 おばあちゃん、満足げ。しかし、先程とは反対のポケットから、もう片方の耳栓が出てきた! 照れ笑いをする、おばあちゃん。自分でもおかしくてしかたないようだ。
 
「ちょっと、おばあちゃん、漫才じゃないんだから
私たちも爆笑。お腹が痛くなってきた。
 あっという間に時間が経ちシートベルトサインが消えて、飲み物が配られる。
 masumilkさんが「おばあちゃん、ドリンク何にする?」と聞くと、コーラを指さすおばあちゃん。炭酸類飲んでいいのか?
 私にはベジミールが運ばれてくる。行きと同じ中味じゃ・・・
 おばあちゃん、ここで魔法のバックから、巨大なお弁当箱を取り出す!さっきから見えていた巨大なアルマイトの固まりはこれであったか。
 またまた大うけ。マイ魔法瓶、マイ目覚まし、そしてマイお弁当箱
 おばあちゃん、説明を始める。表情と、ジェスチャーから言って
「わたしはね、機内食は口にあわないの。お肉は食べないし、ご飯が食べたいからね。いつもこうして持ってきているの。これが一番よ」
 って感じ。こんなに食べるのか?と思うほどのご飯の量。よく中国人がするようにおかずと一緒に入れて持ち歩いているのだ。
 全部は食べず、適当なところでまたバッグに戻す。
 落ち着くと、おばあちゃん、また魔法のカバンからなにやら取り出し、見せてきた。
 それは英語の手紙だった。
私のおばあちゃんが今回、ホーチミンへ一人で行きます。途中2回トランジットがあります。しかし、彼女は英語ができません。だからこれを読んだら、どうか彼女を正しいゲートまで連れて行ってあげて下さい
 孫がおばあちゃんのために書いたのだ。無事に香港への飛行機は乗れたけど、香港からホーチミンへまたトランジットをしなければならない。だけど、私たちもトランジット時間は短いし(飛行機は本当にディレイだし)、おばあちゃんを「正しいゲート」まで連れて行く自信もない(行きのことがあるしね)。それで、スッチーにその手紙を見せる。
 「オー!親切にどうも感謝します」スッチーがスッチー姉御を呼んでくる。スッチー姉御は英語でおばあちゃんに話しかける。だから英語じゃダメだって。すると、後ろの人が、「私、ベトナム語分かる。」と突然名乗り出た
 はあん?
 じゃあ、今まで私たちの苦労はなんだったのさ?聞こえていたはずなのに。
 スッチーの英語を後ろのお姉さんがベトナム語で伝える。うなずくおばあちゃん。
通じているじゃん!
 改めて説明される。
「どうぞ、ご心配なく。彼女は間違いなく私たちがサポートしてお送りしますから」
 まあ、これで無事おばあちゃんもトランジットできるだろう。
  安心したところで、おばあちゃんと、masumilkさんと、3人一気に眠りに落ちる。
 そして再び「朝食」の時間。おばあちゃん、さきほどのお弁当をまた出してくる。でもおかずは食べてしまったので、ご飯だけ。
 私のベジタリアン・ミールに興味津々のようだ。私の方はチーズを使ったラビオリという同じメニューに正直、飽き飽き。なので、少しおかずを分けてあげる。
 その後、おばあちゃんにはカップ麺が与えられた
「ねえ、おばあちゃん、夜中に起きてお経やっていた?」
「たぶん、寝ていたと思うよ(笑)」
 なんにしろ、よく眠れたと言うことはめでたい。
 おかげで退屈で苦痛なミドルシートのロングフライトも楽しかった。
 香港に着陸し、おばあちゃんには車いすがくるようで、お別れ。
 ところが、トランジット用のセキュリティチェックに並んでいると、車いすに乗せられ、私たちの横の通路をさっそうと通り過ぎていくおばあちゃん
「バイバイ!」こちらに気づき、おばあちゃんも手を振る。
 ところが。例のバッグを膝に置いていたおばあちゃん。しかも車いすだ。当然、セキュリティでアラームが鳴りまくり。しかし、さすがに停められることなく、通過。最後は最大級のVIP待遇で去っていった。
 ありがとう、おばあちゃん。 元気でね!

 ところが我々の飛行機はもともと出発が遅れたので、乗り換え時間がわずかしかない。急いで、と言われ、結局買い物天国・香港でのお買い物なし。
 成田に順調について、masumilkさんは、実家へのバス最終に乗るためダッシュ。・・・そんなこんなでいつもの日本での日常に戻ったのだった。

 スタオくんはさらにそれから2週間ぐらいドイツ、イタリアを放浪。例のアーヘンのバーに約束通り出かけたのだが・・・「ロックコンサートに行っていて、留守」であえず。
 その後、日本からハードロックカフェのピンバッジをいろいろ送って、向こうからはお礼にアーヘングッズや「プリンテン」が送られてきた。ぜひ、来てくれと熱烈コールも。

 

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