ラウール、ビールここにあり
うっちーの追っかけではありません


 管理人多忙のため、かなり省略バージョン。4カ国を股にかけたラウール追っかけ鉄道旅行&世界遺産3カ所、サッカー試合3試合観戦、ビール?杯

Calendario

日付
日程
2/11

成田→ ミュンヘン
ICEでアウクスブルク、アウクスブルク戦観戦
寝台特急(ナイトトレイン)乗車

12 デュルスブルク下車、ゲルセンキルヘンへ
買い物等のあと、シャルケ04VSフライブルク戦観戦
13

ゲルセンキルヘン→ケルン →ブリュッセル
ユーロスターで リールへ リールで鐘楼観光

14

TGVでカルカッソンヌへ
午後、カルカッソンヌの要塞(シテ)観光

15

早朝 カルカッソンヌ→スペインタルゴでバレンシアへ。
夜 CLのバレンシアVSシャルケ04戦観戦

16 早朝 バレンシア→マドリード マドリード→ミュンヘン
午後 ミュンヘン市街地をビール巡り&薬局巡り 夜 出国
17

成田着 成田→中部


 

 3年ぶりの、ヨーロッパサッカー遠征
+ビールタイム大幅増、ちょっとだけ鉄分増(前回比)。

 

1日目

 成田までは新しいスカイアクセスとやらの路線になったスカライナーで。日暮里駅も新しくなっていて、戸惑う。
しかし前日荷造りであまり寝ていないため、「どこからが新しい線路なんだろう」と思っているうち、撃沈。気がついたら成田空港。確かに早いや。

 今回は珍しく成田で合流なので、一人旅部分が短い。
 スタオ、搭乗前にさっそく日本のビールで休憩。

ANAで海猿シリーズ、相棒の劇場版などを堪能するうち、ミュンヘン到着。はっ、あまり寝てない。今回、ミールは「低脂肪ミール」というのにしてみたが、鶏と白身魚、味付けが単調すぎていまいちだ。低脂肪なんかリクエストした私が悪いのか。空港のトイレに入り、足がつかない便座に座ると「巨人の国」に来たことを実感する。
 入国検査。目的地は?と聞かれ「アウクスブルク」と答える日本人が続くとさすがに?となるらしい。スタオが「サッカーを見るため」というと納得していたようだ。そういうもんか。
 「Sバーンの時間があるからちょっと1杯」と、20分の空きも無駄にせず、まずは「エアブラウ」を飲む。ぷはー。
 今回はユーロレイルの3カ国パス、だから自動的に1等なのだ。
 そんなこんなで順調に、アウクスブルク着。ここを選んだのは「そこに新しいスタジアムがあるから」。もう驚きもしない理由だ。我々の旅は「サッカー」に「世界遺産」か「行ったことがないスタジアム」「おいしい酒」が結びつけば目的地になりうる。世界遺産もスタジアムもだんだん行きやすい新しいところがなくなってきているので、ハードルが上がって「なんでわざわざ?」っていうところばかりになっているだけだ。(ちなみに試合以外の日でどこに行くか決めたのは数日前)
 駅のロッカーに荷物を預け、トラムに乗ってスタジアムへ。トラムは当然のように、アウクスブルクのサポーターだらけ。ドイツの素晴らしい「チケットには市内交通費も含んでいます」システムのおかげで、厳密にはまだチケットを持っていない私たちもタダ。20分ほどトラムに揺られ、さらに10分ほど歩くと、新しいアウグスブルクのスタジアムが見えてきた。ゴール裏の上のほうの安い席を買う。新しくなった分、売店のシステムもドイツのほかにあるように「プリペイドカード方式」に。まずプリペイドカードを買いそこにチャージしないといけないのだ。ビールとホットワイン、ブルストを買う。
 このホットワイン、とても温まる。そして眠くなる。長時間フライトのあと、眠い試合展開(ホームアウグスブルクが攻めるも決め手に欠き、点が入らない)。危険だ。ほとんど睡魔との闘いだった。夜行電車がギリギリなので、後半40分には外に出た。・・・一刻も早く電車に乗り込み、平らなベッドに眠りたいところだが、駅に着くと電車は30分遅れだという。まあ、こんなもんかな。
 ぼーっと待合室で時間をつぶし、やってきた「ナイトトレイン」。ヨーロッパの夜行といえば、ユーロのときに乗ったウィーン→チューリッヒ間の(閉所恐怖症にはとても無理な)極小寝台車を思い出すが、さすがに巨人の国のドイチェバーン、すべてでかく作ってある。広々とした快適なスペース。などとプチ鉄ちっくな感想を述べたりする。
 なにより、シャワーやトイレがとても機能的に作られている。やるときは職人技でうならせる。無駄にでかくて、無駄にビールばかり飲んでいるわけではないのだ。一抹の不安があったシャワーもたっぷり熱いお湯が出るし、やっぱりドイチェバーン、すごいぞ。
 んで、プチ鉄子をうならせたのは、車掌さんの「ただいまキャンペーン中でシャンパンのサービスがございますが・・・」。うーん、なんて心憎いのだ、ドイチェ・バーン、好きっ♪。ドイツ最初の夜をシャンパンで乾杯・・・寝るってそりゃ。

2日目

 とにもかくにも(睡眠不足もあって)熟睡。30分遅れだったので、あらかじめ頼んでおいた朝食サービスもそこを計算して出てきた。
 それがまたすごい量なんである。食べきれないので半分はお持ち帰りするのである。
 名残惜しいがデュルスブルク(偶然、昨日のアウクスブルク戦での対戦相手)で下車して、乗り換え。その電車も予定より遅れていたりしたのでスタオの活躍に任せて、指示のまま動くと、いつのまにかゲルセンキルヘン到着。
 ここが、今ラウールがいる町なのね。ぽわわん・・・ようやく頭が起きてきたので改めて見渡す・・・うっ、こ、この駅大丈夫かあ。実はドイツ・ワールドカップのとき、ゲルセンキルヘンのスタジアムには2回きているのだが、車だったこともあり、駅や、町の中心地に来るのは今回初めて。こんな(なにもない)町だったのね。
 駅で時間をつぶす要素が何もないので、トラムに乗り換えてスタジアムというより、その横に立つホテルを目指す。今回ここはなんと敷地隣に立つマリオットに泊るのだ。というか、ゲルセンキルヘン自体あとは駅の近くのおなじみイビスぐらいしかなかったらしいが。とりあえず荷物だけでも置かせてもらって、観光や買い物に向かうことにする。
 あらかじめアーリーチェックインは頼んでおいたらしいが、さすがに朝の8時半。しかしお姉さん。「あら早いのね。ラッキーよ、たぶん部屋は空いているわ」ということで、ベリーアーリーチェックインを果たす。これは本当にラッキーだ。(スペインのラフな感じのホテルならよくある話だが)
 とりあえず10分ほど歩いて9時からやる気満々でオープンしているファンショップへ。ラウールものがたくさんあって狂喜乱舞。ユニホームに番号も入れてもらい、にわかサポーターの出来上がり。結局いったんホテルに戻る。そういえば内田グッズはなかった。
 トラムの駅まで行って、トラムに。行きと同じ車掌さんが検札をしていて「顔パス」。シャルケのマフラーをした人はそれだけで「シャルケね」と車掌さんは納得していたが、降りる駅とか関係ないんだろうか。この日はシャルケグッズさえ身につければ市内交通全部タダみたいな勢いである。炭鉱跡に行くために途中乗り換える。乗り換えてわかった。路線が違うとまったく違うノリ。車内の雰囲気からして違う。炭鉱跡が見えてきた。ここ自体広大なのでその中でもデザインが美しいとされる第12炭鉱へ。といってもガイドツアーだとドイツ語オンリーの解説で約2時間ということなので、パス。
 世界遺産のロゴを撮るのを基本としているが、ここのは透明の表示板になっていておしゃれさんなので、写真に撮りづらい。そこは公僕のスタオちゃんが、自らを「バックにしたまえ」、と、自己犠牲の精神を発揮する。トラムの待ち時間に、持ってきていたDBででた朝食セットの残りを食べる。
 スタジアムに戻り、本格的シャルケサポになる。ホテルにあるバーは比較的年配のシャルケサポおじ・おばでいっぱい。外は外で図体がでかい集団たちがビールを浴びるように飲んでいる。要するにどこもシャルケサポ、そしてそばにビール。本日の試合はスタオの「チケットのカリスマ」としての能力を発揮し手に入れたバックスタンド前から4列目というナイスな席である。ラウールなんかどきどきするぐらい近くに見えてしまうんである(ウッチーも)。
 3年ぶりの生ラウール。ぜひ「セニョール」「ラウール」のスタジアムアナとサポーターの掛け合いを聞きたいものだ。
 試合の前、うっちーというか、こちらでは「うしー」が、「アジアのマイスターシャーレ」の表彰を受ける。そっか、アジア王者だもんね。試合は・・・うん、バレンシア戦がとても心配になりました(談)。しかしサポーターの盛り上がりぶりは実感。スタジアムも軽く6万人越え(13万人ぐらいの町です)。「しゃるけなー、うんでぃあ〜♪」の歌が耳に残る。「おれはシャルケサポだぜ、おまえは?」「おれもだぜ、おまえは?」の掛け合い。ドイツ人って掛け合いが好きなのか。スタオはこういう応援が岐阜でもできればいいのに、といっている。
 スタジアム内にあるショップで再び買い物して、ホテルに戻ってちょっと休憩、のつもりが・・・
 何せ久しぶりのちゃんとした平らなベッド。ベッドの上にどーんとダイブし、そのまま意識を失うこと3時間。気がつくと10時を回っていて、ホテルのレストランは閉まっていた。(ホテルの周りにあるのはスタジアムのみ。市内へはトラムで20分)。

3日目


 翌朝。ホテルでビュッフェの朝食なんざとり(ここまで余裕のある朝はこの日ぐらい)、徒歩5分の練習場前駐車場へ。続々と「朝10時には習慣でここにきます」って感じのサポーターが集結。すると今日は旧スタジアムのグランドで練習するとの情報があり(ってことは部屋からすぐ見下ろせるあのグランドじゃん)、これも数多くのサポーターで自然に道になったショートカットのけもの道を歩き、移動。10時ごろ、主力じゃない選手がぞろぞろと、ホテルとなりの建物からでてきてグラウンドに向かう。主力はいつ現れるのか?試合後の、クールダウンぐらいはやるんじゃないか。としばらく金網にへばりついてまってみるが、気配なし。「今日は主力組は休みなのでは?」と思い、ホテルに引き返すことに(っていっても隣の建物)。
 ホテル前の駐車場を歩いていると、ドイツ人女性と、スーツケースを持った若い日本人のお嬢さんが。いきなりドイツ人に「あなたたち日本人?」と話しかけられる。スタオがドイツ語が分かるとみるやいきなり「彼女に通訳してあげて」と、なにやら話し出す。スタオ困惑しながらも何とか要約をつかみ、彼女に説明する。「いつもだったら練習場でサインするんだけど、今日は休みです。でもあと1時間後、隣のレストランで内田ともう1人選手がやってきて、インタビューすることになっています」。へえ。この女性はウッチー追っかけのお嬢さんにそれを伝えたかったらしい。で、同席させてくれるようだ。私たちも誘われたのだが、そもそもラウールが目的でウッチー追っかけではないの(サブタイトルどおり)で断る。電車の時間もあるしね。昨日も気がついたけど、ドイツ人は内田の「CHI」が発音できないらしく、このおばさんも「ウシダ、ウシダ」を連呼。とにかく「ウシダ」のインタビューに同席できるなんて、日本から追いかけてきた甲斐があったね。
 ホテルをチェックアウトし、再びトラムに乗って(ホテル宿泊者であまりトラムを使う人はいない)、ゲルセンキルヘンの駅へ。ケルン行きがまたもや遅れていたりしたが、ケルンですこし途中下車。駅からすぐのところにあるケルンの古いビアホールGaffem am Domに入り、ケルシュビールで乾杯。ついでに、カレーブルストやシュニッツェルといった、典型的ドイツ料理を注文。どうせならとちょっとだけケルン大聖堂(前にも来ている世界遺産)の中に入り見学し、発車時になぜか縦ゆれするICEに乗ってベルギーのブリュッセルMIDI駅へ。(DBの一等には車掌さんがドリンクとかを聞きに来て、席まで運んでくれるサービスがある。いちいち書いていないけど、そのたびにスタオはビールを満喫し、そして移動時は寝る)。
 
 ブリュッセル-リール間は今回のプチ鉄のメインその2:ユーロスターに乗るんである。ユーロスターといえば、ドーバーをもぐり、ロンドンに行くあれだ。このロンドン行き、てのが曲者だった。ロンドン、つまりはイギリスである。EU外である。パスポートコントロールがあるのである。(こっちはベルギーから同じEU内のフランスへの移動なのに、なぜか一緒にやる)。同じEU外とはいえスイス不法入国事件のようなへまをしたら間違いなくつかまる。1時間前からチェックイン、というのがいかにも怪しい。パスポートコントロールだけじゃなく、税関の検査もあるのだ。もれなく全員。面倒。でもおかげでレアなスタンプ「鉄道で出国しましたバージョン」を押してもらえた(普通EU内なら押されない)。スタンプの「飛行機」のところが「電車」のイラストになっている。くふふ♪
 さて、ユーロスターはパスとは別料金なので、2等にしたら、いままでの「巨人の国の、しかも1等車のゆったりぶり」に比べると、「おなじみのエコノミークラス」レベルなのはしかたがない。乗る時間が短いからいいや。
 そういや空き時間で入った駅にあるハーゲンダッツ、言葉がいきなりフランス語だった。当たり前だけど、切り替えが必要なんである。もう「コマンタレブー」エリアだ。
 さて。どうやらベルギーやフランスでは「おしゃれさんな駅」への建て替えが進んでいるらしい。途中、通ったリエージュ(2004年にいった)もとってもおしゃれさんな駅に大変身していてびっくり。トレビアーン(アは鼻にかけて)な雰囲気だ。ダス・イスト・ダスの国とは違うんだよーん、的な?
 リール・ヨーロッパ駅もそんな感じ。そこからころころスーツケースを転がし、少し歩くと昔ながらのリール・フランドル駅の広場。大通りを歩き、すこし入ったところに本日の「コンフォート」ホテルがございました。とれびあーん。コンフォートといえば、ビジネスホテルのチェーンというイメージなんだが、ここはもともとあった古めのホテルをコンフォートが買収してリニューアルしましたっ!って感じだろうか。日本で言えば2階の部屋を指定されたが、わけがわかった。フランスでよくみる、エレベーターが故障中だったのだ。アレー。荷物はスタオに運んでもらう。
 リールに来たのは、世界遺産(フランドル地方の鐘楼)とサッカーの試合だった。地元のリールは現在、リーグアンで首位なのだ。しかし提案したスタオ自体、すでにこのスタジアムは行っている点(しかも駅からちょっと距離がある)、疲れている点も考慮して、鐘をさっさと見に行って、あとはホテルのカナルプルス(有料チャンネル)でみりゃいいじゃん?ってことになった。
 そうと決まればさっさと世界遺産に指定されている鐘楼がある市庁舎を目指す。(ここは私の担当なのだ)まずは、無人で運行されているメトロに乗って、2番目の駅で降りる。暗い道ですこし迷ったが、無事にライトアップされた市庁舎の鐘楼を発見。
 ここでライトアップ用のライトを使ってとぼけた写真(はっきりいって名作。ただし掲載許可降りず・・・)を撮ったりして撤収。メトロの駅に戻ろうとしたらいつのまにか、フランドル駅まで戻ってきていた。
 ホテル近くのケバブ屋さんでケバブ(大量フライドポテト付き)を買い、ホテルでまったり試合をみながら食べる。そんな「リールの夜」。
 前日、リールに泊ったもう一つの理由は、朝なんとカルカッソンヌまで行く(正確にはその先のツールーズ)TGVがリール始発であるのだ!

4日目


 朝まだ暗い中チェックアウトして、駅に向かう。
 TGVはとれびあーんなデザインの駅によくあう、とれびあーんな雰囲気だ。そんな1等車に乗り込む。途中おなかが減ったので、隣の食堂車に「ボンジュール!」。思い切り目が覚めるエスプレッソとクロワッサンという、いかにもフランスな「ぷちでじゅー」(朝食セット)でおなかを満たす。
 わりと単調な車窓の景色だが、少しずつ南にいくと家の屋根が変わっていく。まさにフランスの北から南まで縦断。所要約6時間。
 そして着いたカルカッソンヌ。「日光を見ずして結構というな」「ナポリを見て死ね」とかあるが、なんでもカルカッソンヌは一生のうち一度は訪れておきたい町なんだそうだ。
 駅の前をすぐミディ運河が流れている。これもれっきとした世界遺産だ。まあ200キロぐらいあるからね。運河を渡るとすぐ、ホテルが見えた。古い町にふさわしい、久しぶりにクラッシックタイプのホテル。なぜかトイレだけ別の部屋(しかもバスルームとは離れている)。
 シテといわれる城壁の中の町の中心はコンタル城。そこが4時半までなのでまずは急ぐ。駅前のロータリーから4番のバスで向かう。シテは丘の上にあり、風が強く寒い。
 城をぐるっと回って、一息。もうひとつの見所であるサン・ナゼール・バジリカ大聖堂は閉まっている・・・夜はシテ内でディナーでも、という計画なのだが、観光客相手の店以外はだいたい7時から。仕方がないのでぶらぶらする。カフェで生ビールを注文するが、ベルギービールだった。すこしライトアップされてきたので、再び門のところへ。写真を撮っていると「写真撮りましょうか?」と若い女の子がニコニコして声をかけてきた。撮ってもらって私たちが日本人であることを確認すると彼女「ジュン・マツモトを知っている?」。ジュンがジョウに聞こえ、一瞬「松本城が好き」なのかと聞き間違えたが・・・「アラシ」という単語で彼女は城マニア(笑)ではなく、マツジュンのファンなのだとわかった。「オー!」。私はサクライくんのファンなのよ、といえばよかったか。
 とにかくカフェでビールを飲んだりして時間をつぶし、7時になるまで粘って、「オーベルジュ・ド・ダム・カルカス」というレストランへ。カルカッソンヌはカソレという豆の煮込み料理が名物らしい。たいていどのレストランでもメニューにある。そのカソレを含んだコースとワイン1本を注文。我々は最初の組で、他もすべてテーブルセッティングがされているが、スタオ「はりきりすぎじゃない?こんなに客が来るとは思えん」。確かに、月曜日の夜、しかも寒い。たいていの観光客は帰ってしまっている感じだ。しかし30分もすると席はあらかた埋まってしまった。人気の店なのか、地元の人がたくさん食べに来ている。で、ささやくように聞こえるフランス語があちこちから。「おれたちもささやくように話してみようか」「ブーとか、ジューとか言っていればいいんだよ」
 レストランを出て、撮影がてらポンヌフの方角に降りる。ライトアップされて朧月夜が浮かぶシテの城壁もまたいい感じ。
 歩いて20分ほどで駅に戻る。ちょうど時計を見ると10時だった。さっさと寝る。

5日目


 朝食は9・5ユーロの割にはイマイチ。やっぱり観光地だなあ。カルカッソンヌからTGVに乗り、ナルボンヌでタルゴに乗り換える。いよいよスペイン国鉄、一番不安があるRENFEのエリア。一等(プレフェレンテ)といえ、さすがにTGVに比べると車体の古さは否めない。湿地の中を走る。
 国境では警察が乗り込んできて、パスポートチェック。微妙にテロとかあるからちょと厳しい。
 国境の町を越えるとアナウンスもスペイン語と、カタルーニャ語に。英語はない。やるもんか、という感じ。フィゲロスという駅で、ママに見送られて泣き出す男の子と、ちょっとさえない感じのお父さんが乗ってきた。「ママは仕事なんだから泣かないでね」とあやす。本当は私たちの通路を挟んで横の1人席だったのだが、車掌さんに「あっちがあいているから」と言われ、後ろの席に移動。男の子を手をかえ品をかえあやすのだが、なんの遠慮もないのでかなり大声である。そして男の子はラウールというらしい。なかなかに安眠を妨げてくれるのだ。
 毎度おなじみバルセロナのサンツ駅で、何人かの若者が乗ってきた。その若者が前の席に座っていた、英語ができそうな?ビジネスマンに席を替わってくれるよう交渉。つづいて後ろにいた例の親子の父親に話しかけると、父親は「ノ。私は英語が話せない」とはなから逃げ腰。次に目をつけられたのは私たち。彼らは隣の車両のチケットを持っていて、7人で座りたいんだそうだ。そんなわけでチケットを交換、席を移動する。ラッキーだったのはこれであの親子とも離れられたこと。指定された席は通路をはさんでいたので、さらに窓側の席に1人座っていた東洋系の人と「カンビオ」を要求し、二人がけのほうの席にしてもらう。こうして大移動。
 ところでタルゴはここから、ほとんど各駅停車のように新しくできたリゾート地の駅に停まる。だからとっても遅い。しかもシーズンでもないので、ほとんど乗降客はおらず、意味がない。こんなわけでちっともスピードがあがらないタルゴ。「だったらビリャレアルも停まるのでは?」と期待?したが、どういうわけか(やっぱりリゾートではないただの田舎だから?)通過。ビリャレアルっていったい・・・
 飽きた。本当に飽きた。7時間半も乗れば飽きる。地中海の景色も見飽きた。RENFEよ、やっぱり3カ国通すとなんだかなあ、って感じだ。
 こうして3時半ごろ、ようやくバレンシアノルテ駅に到着。ふう。さっさとメトロに乗り換え、空港の一つ手前の駅で降り、ホテルに向かう。ホテルイビスは、3年前レンタカーを空港に帰す際、ガソリンを入れたガソリンスタンドのちょうど隣にたっていた。最上階の部屋はコンパクトだけど設備はそろっていて快適。まあシャワーだけだけど。
 仕事を終えたラウールがホテルに迎えに来るのは6時半。それまで市内に行って帰ってくるには時間がない。スタオが「スペイン来たからにはにんにく食いたい」というので、周りを探索。とあるバルに入る。タコのタパスと、イワシのタパス、それにビール。これまでドイツ、ベルギーのビールを飲んできているので、スペインのセルベッサが異常に薄く感じる。プレミアムモルツと、第三のビールって感じか。
 6時半、空港で働いているラウールと再会。ケント・デリカット似だ。忘れないうちに、と昨日窓口で買ってきたチケットを受け取る。シーチケ価格でわずか20ユーロ。2階の前の方で試合全体がよく見える席だ。ラウールの車でメスタージャへ向かう。20分ほどしてメスタージャ近くのスペースに路駐(移民の少年たちが小遣い稼ぎに誘導してチップをとる)。メスタージャ周辺のバルは青いユニをきたシャルケサポたちでいっぱい。当然のように、あの薄いビールで盛り上がっている。その1件に入り、少しおしゃべりをし、おみやげを渡す。
 入り口でラウールとお別れし、もう来ることはないと思っていた(新スタジアムがご破算?)メスタージャ、再び。ラウールが買ってくれた席の隣には、シャルケの青いユニを着た老夫婦が座っていた。私たちの青いグッズをみて、すぐさま反応し、写真を撮ろうといわれた。ドイツ人だ。英語で聞き取ったところによると(スタオはこういうときトイレに行っていることが多い)、
 彼らはもともとゲルセンキルヘンから20キロの所に住んでいて、今はリタイヤしてこの近く(たぶんリゾート地だろう)に住んでいるとか。えーなー。リタイアして温暖な所に住んで、こうして故郷のチームがやってきたので二人で応援。
 試合が始まってみると、奥さんの方がより熱狂的なシャルケファンで、スタオによると「蹴ろ!」とかかなりエキサイティングな声援を送っていたらしい。
 ところで、CLのあのアンセム。あれが流れるといよいよだ、という感じでテンションもあがるのだが、ラウールはシャルケの列の端なので、音楽に併せてテレビカメラも選手を写していく・・・っていうのがいつものパターンなのだが。メスタージャの音響が壊れているのか、流れず。タイミングがつかめず戸惑うカメラ、選手、そして観客。
 というわけでなんとなーく試合開始(やれやれ)、
 いつもはバラバラな印象があるスペインの応援も今日ばかりはまとまっている感じ。3階席にくしゅっと固められた青い集団も元気だ。なんか、やっぱりCL、しかも決勝トーナメントって独特の雰囲気があっていいね。
 試合はソルダードにうまく決められ、先制される。とにかくディフェンスがあまーい。何回抜かれているんだ〜!
 後半、しかしそのときはやってきた。ラウール、CLで69点目のゴールを決める。ぎゃははは。ドイツ人のおじいさんからは「コングラッチュレーション」と言われ、握手。やっぱりCLには私がいかないとだめだったんだわ。(だから3年前ローマに負けちゃったの)と、超唯我独尊お気楽脳で思う。はるばるバレンシアまで来た甲斐がありましたよ。これで私が生観戦すると2試合で1ゴールという確率も維持。
 ラウールの同点弾で、バレンシアの攻撃のリズムが狂ったのか、あまり怖さを感じることもなく結局そのままホイッスル。
 余韻に浸って、ドイツ人の夫婦とお別れ。「外に警察が目を付けるから、マフラーやユニフォーム、帽子も取って隠していった方がいいよ」とおじいさんに言われる。
 ラウール(ケントデリカット似の方)に言われたとおり、選手バスが横付けする場所(12番出口)ででまち。ラウールに対しては例のヤジの他、熱狂的なファンもいて、「ラウール、超グワッポ〜」って言っている女の子と混じり合う。とくにヤジるのはヤジりたくて(あの一言が言いたくて?)残っている感じ。
かなり人だかりができている中、結構前の好位置をキープしていたのだが、関係者らしいオヤジが隣で携帯をとり「え?8番出口から出るんだって?」と話しながら、8番に移動していった。怪しい・・・と、思うまもなく、シャルケのバスが現れた。ドイツからやってきたのか?!そのバスは12番をかすめるように通り過ぎ、本当に8番前で停車。それにつれて人も大移動。やっぱり聞いた時点で移動すればよかった。結局いい位置がとれなかったので、道路の反対に渡ってみると、今度は騎馬警察が。お馬さんに蹴られるのはいやなので、離れてみると、どんどん人の輪を遠ざけられる。こりゃダメだ、と再びバスの後方の方に移動したが、選手の出入りなんて、みえやしない。それにすごいヤジ。
 あきらめてメスタージャを後に少し歩いていると、バスが通った。左側の窓が見える。最後列にうっちーが座っていた。
 もしかして、チームから孤立?
 近くにまだ空いているレストランがあったので、入り、スタオが大好きなニンニク系のタパスなどを適当に頼み、飲む。
 ホテルまでタクシーで帰って、荷造りして・・・もう帰るのか。毎日荷造りしていた気がする。いや気がするんじゃなくて実際に。
 
6日目

 翌朝。ホテルを出て、空港への道路を無理矢理渡り、空港へ。乗る飛行機はそれこそラウールが勤めている会社「エア・ノストラム」だった。かなりコンパクト。さらにマドリー(おなじみ)で乗り換え。新しくできた第4ターミナルで残念ながらトランジットだけで時間ギリギリ。時間があれば・・・ロエベでお買い物がしたかった。
 途中、有料のドリンクなどを飲み、寝て、気がつけば降下を始めており、ミュンヘン到着。はや。いっきなりさむーい感じの曇り空。
 ミュンヘンの最後の6時間あまり。これはスタオのための時間である。
 空港の出口に向かう途中、なんと自分でコップに生ビールを注ぐという、スタオにはたまらないお店があって、一休み。前にやっていたおじさんは泡が多すぎたようだが、そこは日頃から研究を怠らないスタオ、完璧な配分で500ミリリットルを注ぐ。うまい。
 Sバーンに乗って、中心街へ。 まずは一件、老舗のビアハウスに入り、一杯。コップの購入もぬかりなく。途中、薬局でヴェレダのクリームなどを買い求める。そろっていない薬局も多く、思ったほど買えない。ちなみに「今から取り寄せれば5時半には届きますよ」と何件かに言われたが、時間がギリギリなので断る。そういうシステムがあるんだね。
 あるビアホールに入って、スタオ「ビールのグラスを買いたいんだけど」と言うと、お店のお姉様「あら、持って行けば?見ていないから」(と、いうようなことを言ったらしい)とちゃめっけたっぷりに対応。周りの客も「見ていないよ」。持っていたスポーツ誌(これはお約束)でつつみ、そっとカバンに。お、おばちゃんに言われたからだからね。窃盗罪じゃないからね。他はちゃんと買ったんだからね。
 こうして集めたビールグラス、なんと9個!
 この人の、スタジアムとそしてビールに注ぐ情熱はいったい・・・
 隣で飲んでいたおじさんが、写真を撮ってくれた。
 「日本人?ほら、私は日本のケータイを持っていて・・・」
 と見せられたのは、「サムソン」のケータイだった。
 「いや、それはコリア・・・」と思わず2人声をそろえて反応したが、聞こえていなかったようで、おじさんは満足げ。固く日本製だと信じているようだった。
 こうして、最後までギリギリビールに浸る時間を過ごし、再び空港まで戻る。
 ANAのカウンターに寄ってみると、なぜか、名前を名乗っていないのに、名前を呼ばれて驚く。実はイベリアの手違いで私の荷物はスタオの名前、スタオの荷物に私の名前が付いていたそうで・・・ふたたび付け替えるべくカウンターでチェックしていたらしい。
 さすがイベリアというか、さすがANAというか(笑)。
 そんなこんなで帰りも某旅行会社のツアー客に囲まれながら、行きに見られなかった「最後の忠臣蔵」を見ながら寝る。
 「あと3時間で成田」で起きる。スタオ、慌てて「最後の忠臣蔵」の視聴に入るが、ラストの盛り上がるシーンで終了・・・ぷちーん。

 あとはセントレアでひとっぷろ浴びて、ついでにとんかつ和幸で味噌カツを食べ、(日本ならではの生ビールを飲んで)旅を締めくくったのでした。


 

  



E-mailはこちらです

このページは「蓬莱賓館」という岩姐運営のサイトの一部です。直接このページにきた方はこちらから脱出してください。